はじめに

「土地の有効活用」を知らないと大損をする

土地にはいろいろな使い道がある

「相続した建物には人が住まなければならない」「土地は住宅を建てるためにある」という固定観念があると、相続後の選択肢を狭めてしまうかもしれません。

つまり、不動産には通常考えられる使い方だけでなく、幅広い活用方法があるということです。

たとえば住宅街にある土地を相続した時、住宅用地として売却するしか選択肢はないと思ってしまうかもしれませんが、実際はそれ以外にもいろいろな方法があります。

その土地のニーズや用途地域(都市計画法で定められた規制)、そして面積によりますが、次のような活用方法が考えられます。

  • 駐車場・コインパーキング・バイク駐車場
  • コインランドリー用地
  • 資材置き場
  • レンタルボックス(コンテナ)置き場
  • ガレージハウス

駅から遠いなど立地条件が悪いために、宅地としてはあまり人気のない場所であっても、右記のような物件であれば借り手が見つかる場合もあります。

もし土地を貸し出すことができれば、安定的な賃料収入を得ることが可能になり、単に売るよりもメリットが大きいこともあるのです。

建物にも意外な用途が

土地に建物が建っている場合も、選択肢はいろいろあります。

そのまま賃貸住宅として使うのではなく、飲食店・商店などに転用する方法などです。

昔ながらの古民家であれば、雰囲気のある古民家レストランになりますし、小ぎれいな現代建築が一軒家レストランとして使われることもあります。

私もレストランを開きたいというシェフに、住宅街の中にある比較的新しい一戸建てを店舗用として購入していただいたことがあります。

レストランとして使えるような建物は限られますが、可能性がありそうなら、検討してみるのもよいのではないでしょうか。

商店やレストランだけでなく意外な使い方もあります。

「カラオケを楽しんだり楽器を弾いたりしたいから、防音設備の整った離れのある家を探している」
「猫をたくさん飼いたいから、古くてもいいので、隣家と離れた広い家を借りたい」
「趣味の自動車いじりを楽しみたいから、2台停められるガレージ付きの家に住みたい」

などといったニーズは意外とあり、該当する物件は立地にかかわらず人気になることもあるのです。

貸し出すのではなく、自分で住宅以外の用途で使うという方法もあります。

たとえば私の父は、かつて三世帯で住んでいた京都風の数寄屋造りの住宅に、現在独りで住んでいますが、その家で「あんみつ屋」をやろうかという話がありました。

自分で商売をするならば、当然ながら、挑戦する前に採算が合うのかどうか精査する必要があります。

しかし、すでに定年退職して生活に余裕がある人が、自宅の一角を使って小さく商売をするというのなら、リスクはあまりなく、楽しんでできるかもしれません。

このように、土地・建物の活用方法はいろいろとあります。

「そろそろ相続が発生しそう」という段階になったら、売却する、賃貸に出すだけでなく、他の可能性を探るために地元の不動産会社にヒアリングしてみるのもいいのではないでしょうか。

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