はじめに
「株式投資の売買手数料」では各社の差がつかなくなってきた
証券会社選びのポイントとして、昔からよく取り上げられるのは、株式を売買するときに証券会社に支払う売買手数料です。
株式投資の売買手数料には、売買注文が成立(約定)するたびに、約定した金額に応じて手数料がかかる「1回ごと」と、1日の売買金額の合計に応じて手数料がかかる「1日定額」があります。多くの証券会社では、どちらかを選ぶことができます。株式そのものは、どの証券会社で買っても同じですから、株式投資の売買手数料が安ければ安いほど利益が出しやすくなっていい、というわけです。
しかし、近ごろは「1日100万円までの取引なら売買手数料無料」などとする証券会社が増えてきました。こうなると、たとえば「ときどき少額の取引をする(1日1〜2回程度の売買しかしない)」人ならば、どの証券会社を選んでも差がつきません。
ネット証券の1回ごとの手数料は3社とも同じ。1日定額でも0円が2社あります。
この表ではスマホ証券の1回ごとが割高に見えてしまいますが、PayPay証券では1,000円から、LINE証券は1株から購入可能で、例えばPayPay証券で1,000円だけ買うときの手数料は5円程度になり、少額投資をする分にはとても安くなることがわかります。
では、証券会社によって違いがある項目、証券会社を選ぶ際に決め手となりえるポイントには、どんなものがあるのでしょうか。5つ紹介します。
証券会社選びのポイント1:経済圏でお得か
経済圏は、特定のポイントが貯められたり、使えたりするサービス群のことです。日々の買い物やネットショッピング、銀行やクレジットカード、さらにはスマホ・保険・旅行などにいたるまで、同グループ(同じ経済圏)のサービスを活用することで同じポイントを貯めることができます。貯めたポイントは1ポイント=1円などで買い物に利用できるので、支出削減に役立ちます。みなさんも、何かしらポイントを持っている(貯めている)のではないでしょうか。
証券会社のなかには、こうした経済圏の一部となって、ポイントが貯められたり投資できたりするところがあります。たとえば、株式投資の売買や投資信託の積立によってポイントが貯まったり、他のサービスで貯めたポイントを投資代金・手数料に回したりできる、というわけです。また、ポイントそのものを投資に回すことで、お金の持ち出しゼロで株などを購入できるサービスも登場しています。
普段、生活するなかでよく貯めているポイントがあるならば、そのポイントを貯めたり使ったりしやすい証券会社を選ぶことで、経済圏がますますお得に活用できます。