はじめに

商品をネットリサーチする前の3つの心構え

それでは、実際にリサーチする前に意識しておきたい3つの心構えを紹介します。

【1】先入観と思い込みで判断しない
【2】リサーチ環境を整える
【3】趣味・嗜好は捨てる

これだけではわからないと思いますので、それぞれを具体的に説明していきます。

まず1つ目の心構えは、先入観で判断しないということです。例えば、「鬼滅の刃だからどんな商品でも売れるだろう」「このジャンルは人気がないはず」など、自分の勝手な思い込みだけで商品を選ぶと危険です。優秀なマーケッターが失敗してしまう理由は先入観が邪魔をしている場合が多いのです。逆に、素人の方が上手くいくケースも多くあります。アメリカで売れた実績のある商品だけをリサーチして選んでいるからです。

2つ目は、リサーチするための環境を作ることです。まず、スマホだけでは商品リサーチは無理なので、PCを用意してもらう必要があります。スペックは最新のものでなくても大丈夫ですので、中古でも1台は購入してください。

そして、PCにGoogleクローム(Google Chrome)をインストールしておきます。Googleクロームとは、Googleが提供する無料で使えるウェブブラウザです。iPhoneのSafariやマイクロソフトのMicrosoft Edgeも同じブラウザですが、Googleクロームが一番人気で、お勧めです。簡単に言うと、検索機能だけでなく、後から色々な機能を追加できる拡張機能が人気の理由です。

この拡張機能で「Keepa」(キーパ) というツールを追加してください。Keepaは、Amazon内で販売されているほとんどの商品の売れている数量と販売価格を確認できるツールです。日本Amazonと米Amazonの両方のデータを見比べることで、日本とアメリカの需要と供給のバランスがわかります。リサーチ方法は後で詳しく説明しますが、Chromeウェブストアというサイトに行き、Keepa.comを追加するだけでGoogleクロムに追加することができます。

心構えの3つ目は、自分の趣味や嗜好は捨てる、ということです。自分の好きな商品を仕入れて販売すると、ほとんどが失敗します。理由は、米Amazonで売れていない商品を仕入れることになるからです。まずは、ビジネスと割り切って、自分の好き嫌いとは関係なく、米Amazonで売れている商品だけを販売しましょう。まずは、しっかりと稼ぐことが大切です。どうしても趣味の商品を売りたいなら、十分に利益が取れるようになってからでも遅くはありません。

ここで、本当に意外な商品が売れたという実例をご紹介します。例えば、プラモデルの塗料が爆発的に売れたケース。日本のプラモデルが好きな外国人マニアのニーズに応えたのでしょう。他には、マンガの全巻セットが売れたケース。やはり全巻揃えたいという気持ちは、日本人だけではないようです。

そして、私が予想外だったのが、トイレットペーパー。お線香の香りがついた商品で、数十個仕入れても1カ月くらいで売り切れたのです。トイレットペーパーは、先入観があったら、絶対に売らない商品です。この成功例は先入観のないリサーチの大切さを教えてくれます。このように、意外なお宝商品に出会えるのが米Amazon輸出ビジネスの面白いところでしょう。

出品する商品をリサーチしよう

ここからは、商品リサーチの流れを一緒に確認していきましょう。

まず、米Amazonのサイトで売れている日本製品を見つける必要があります。このとき、意外な落とし穴があるので気をつけてください。実は、私たち日本人が普通に米Amazonのサイトで商品検索しても、日本に発送できる商品しか表示されません。ここで、ちょっとしたテクニックをご紹介します。

ウラ技というと少し大げさですが、とてもシンプルな方法です。商品の購入画面で、アメリカの郵便番号(ZIP CODE)を入力するだけ。アメリカの郵便番号は、5ケタの数字です。

例えばサンフランシスコは「94111」、シアトルは「98101」。どの地域の郵便番号でもいいのですが、この数字を入力すると、アメリカ国民だと認識されるようです。これでようやく、すべての商品の検索ができるようになります。

そして、日本からの輸入品という意味の「Japan Import」というキーワードを入力して検索します。そうすると、日本製品のラインナップがずらりと表示されます。その中から、Amazonランキングで上位の売れ筋商品を見ていきます。

度々紹介していますが、この時にものすごく使えるのが「Keepa」(キーパ)というツールです。導入コストは月額19ユーロ(約2500円)がかかりますが、十分に元が取れる優れもの。まず、KeepaをGoogleクロームに入れると、米Amazonの商品ページにグラフで表示されるようになります。そのグラフを読み解くと、なんと、商品が「何ドルで売れたか」や「いつ売れたか」が分かるのです!

つまり、売れている商品が一目で分かりますし、どのくらいの値段で売れているのかも分かるのです。Keepaというツルハシで、売れ筋商品という金鉱山を発掘するイメージです。Keepaを使うとわかるのですが、小学生でも使えるくらい簡単です。詳しい使い方は後で説明します。

売れている商品を見つけたら、次は利益の計算をします。利益を高く得るためには、仕入れ価格と販売価格の差額を大きくする必要があります。つまり、日本Amazonと米Amazonの販売価格の差です。おおまかな目安としては、米Amazonの販売価格が日本Amazonの販売価格の2倍なら、十分利益が取れると考えていいでしょう。ジャンルにこだわらず、価格差だけを見てリサーチすることがポイントです。

最後に、米Amazonにおけるラインナップについての考え方を示します。あまりに安すぎる商品ばかりだと1個あたりの利益が少なく、多くの個数を売る必要があるため、非常に大変です。逆に、1個数十万円の時計を売ると、在庫リスクが高くなってしまいます。

よって、作業量と在庫リスクのバランスを考えると、ラインナップする商品価格は3000円から1万円が最適です。高くてもせいぜい5万円が上限でしょう。売れ筋の商品の中から、サイズが小さくて高価な商品を見つけることができたらベストです。

以上、商品リサーチの方法を説明しましたが、いかがだったでしょうか? 思ったより簡単に感じた方が多いでしょう。「何としても見つけてやる!」と肩に力を入れるよりも、ゲーム感覚で楽しみながらリサーチするのがコツです。

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