はじめに

(3)節税効果

皆さんは会社で受け取る給与から所得税や住民税を払っていると思います。これらの税金は所得金額に応じて算出されるため、給与が多い人ほどたくさんの税金を納めていることになります。

しかしこの税金の計算時、給与以外の事業、今回で言えば不動産投資で赤字があるならそれを合算することができます。例えば会社の年収が500万円だとして、不動産投資で150万円の赤字がある場合は、年収350万円の人と同じ税額で済むわけです。

と言っても不動産投資で150万円の赤字が出ていたら本末転倒じゃないか、と思われたと思います。

ここで出てくるのが減価償却という考え方です。 厳密な数値を用いてしっかりと説明すると非常に複雑な話になるためシンプルにイメージだけをお伝えします。

物件の購入には当然費用がかかっていますが、その購入費は何年かに分けて経費として計上する、というルールがあります。

今回の例で言えば5000万円のアパートを購入しました。この5000万円には土地代も含まれているため建物代は3000万円だったとしましょう。この3000万円を10年に分けて、毎年300万円ずつ経費計上していきましょうね、というのが減価償却の考え方です。

実際のお金の動きとしては毎年150万円のプラスであっても、帳面上はここから300万円を差し引いて150万円の赤字、ということになるのです。

その結果年収500万円の人は、実際には不動産収入を合わせて650万円を受け取っているのに、税務上は350万円の所得として計算されます。

ちなみに会社員の場合は毎月の給与から税金を源泉徴収、いわゆる「天引き」されていますから、こういった合算によるマイナスがある場合は確定申告のあと、毎年4月くらいに払いすぎた税金が還付されます。今回のケースで考えるならば、毎年4月に国から15万円ほどが還付されてくるはずです。

(4)生命保険の掛け金

先程のキャッシュフローという中には、団体信用生命保険の保険料がすでに含まれています。したがってその他の保険に加入する意味は基本的にはありません。

私の場合はそれまで加入していた保険を解約することで、 年間30万円 程度の金額が浮きました。

(5)他の運用に再投資して増やす

さて、これはちょっとイレギュラーな話というか不動産投資の話では無いのですが、 「サラリーマンが人生を変えるための投資」という意味ではある種本質的な話 だと思うのであえて載せました。

サラリーマンであるということは、他にしっかりとした収入があるはずで、目先の生活にはひとまず困っていないと思います。将来の子供の教育費であったり、老後の生活といった、人生設計のために不動産投資を考えてみましょう、というのが本書の趣旨です。

そう考えた場合、不動産収入で得られた数百万を、ブランド品を買ったり高級車を買ったりするのに使うのは意味がありません。もちろん、自分のモチベーションを高めるためにたまにそういったご褒美を用意するのは良いでしょうが、基本的には使うべきときに備えておくものです。

とはいえ、銀行に貯金しておくのが正解か、というとそれも違います。日本のメガバンクの利率はほぼゼロ。それならば運用に回す方が遥かに良いでしょう。私の場合はファンド等に投資をしています。

仮に不動産投資で得られた収入を全額積み立てに回し、年利6%(複利)で20年間ほど運用すれば、利息だけで約1500万円の利益が出ます。 1年あたりの平均値で見れば75万円 です。

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