はじめに

所得税じゃなく住民税から引かれる

ふるさと納税の手続きは、税金の控除を受ける手続きなので、所得税の確定申告をする方は申告の時に「寄附金控除」をいう手続きをすればOKですが、確定申告が必要でない会社員については、確定申告なしで控除が受けられる「ワンストップ制度」という制度があります。

ワンストップ制度は寄附をした自治体にふるさと納税の控除を受けるための申請書類を提出するという方法で、自分の住んでいる自治体の住民税が安くなります。ただし、1年で5自治体以内の場合のみ利用できます。6カ所以上の自治体に寄附をする場合は、確定申告を行なってください。

確定申告をする方は、所得税から10%弱が引かれて、残りは住民税から引かれます。ワンストップ制度を利用する方は、所得税の確定申告をしないので所得税は減額されず、寄附額から2,000円を引いた残りの金額が住民税から直接減額されます。

年末調整の時に受け取る源泉徴収票を見て「税金が下がっていない!」と言われる方も時々いますが、住民税のチェックが必要ということです。

タイミングに注意

住民税は1月から12月分の所得(収入や支出などから計算されたもうけ)から計算されます。しかも、その金額が決定するのは翌年の5〜6月ごろ。給与から天引きの方は、翌年6月分から1年間の住民税の金額に反映されます。かなり後ですよね。

そのため、年の初めの1〜3月ごろにふるさと納税をされた方は、その年の6月からの住民税を見て「あれ? 住民税が減っていない」と言われる方が時々おられますが、翌年の6月からの住民税で反映されるので、ご注意ください。

ふるさと納税は限度額に注意

なお、ふるさと納税には限度額があります。それを計算するための計算式が複雑なので、ふるさと納税サイトなどでは「限度額シミュレーション」や「控除額シミュレーション」などの試算サイトが用意されています。また、各自治体の住民税を試算するサイトにも、ふるさと納税の限度額が表示されるものがありますので、ご自身の自治体ホームページでも確認できることがあります。

なお、あくまでシミュレーションなので、正確な限度額を出すことはできません。また、サイトによっても数値が異なることがあります。相模原市が用意している「市・県民税(住民税)試算システム」などのように、具体的な収入金額や控除額を入力して、より正確に限度額を求められるものがおすすめです。

毎年給与収入に変動がある人

会社員の方のように、毎年同じ金額で給与収入が安定している場合は、昨年の源泉徴収票を見ながら限度額を試算すれば正確に近い限度額が出せますが、毎年収入が変動する方は1〜12月分の金額を見積もって試算しなければ限度額が求められません。早めに12月までの収入金額を見積もって、限度額の試算をおこなってください。

限度額を超えたとしても、「多めに寄附をしたイイ人」というだけで、誰も教えてくれませんので、見積りがキッチリできない方は限度額より少なめに寄附をしておくのが無難です。

副業収入がある人

事業をされている方は1年分の収入金額だけでなく、経費も見積もって差し引きの所得を求めてからでなければ、ふるさと納税の限度額を求めることができません。給与収入メインの方でも、一定以上の副業の収入があり確定申告が必要な方は、その副業の所得も加味して計算しなければなりませんので、12月までの収入と支出を事前に見積もって集計してみてください。

副業があると、ふるさと納税などの限度額シミュレーションサイトでは厳密な計算ができませんが、副業の利益分を給料の金額に足し込んで入力しておくと、実際の計算結果よりやや少なめに試算できるので、目安として求めてみてください。

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