はじめに

【問題点】「公平」と「効率」の問題はムズカシイ

家賃補助のような「公共支出(税金投入)」が問題となるとき、最大の難問は「公平」と「効率」をどのように調整するかということです。具体的には、社会的弱者のことを考慮する場合、賃貸住宅の家賃をどれだけ税金(公費)で負担するかという点です。

公平とは、所得分配(徴収した税金の再分配)における公平性のことです。

お金が人々の間でどこまで平等に配分されているかをチェックし、不平等であれば是正します。

最近の脳科学の研究では、平等な社会を望ましいと受け止める仕組みが私たちの脳にあることがわかってきました。公平の追求は、生物学的な根拠に基づいています。

効率とは、経済的効率性のことです。

限られたお金をどのように配分すれば、最も無駄なく活用でき、人々の生活水準を高めることができるかというものです。また、お金の配分にかかるコストをできるだけ抑えることも求められます。

公平と効率の問題に正解はありません。例えば、「高所得の人は、努力した結果、所得が高い。低所得の人は、努力してこなかったからそうなっているのだ。なぜ所得の低い人を税金によって支援しなければならないのか?」という考え方をする人もいます。

努力した人が高い報酬を得ることには基本的に納得できるものの、自分の責任では手に負えない理由によって十分な報酬を得られない人を放置してよいかという問題です。

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