はじめに

2022年11月19〜20日、“みんなで学んで、一生役立つ。”をテーマにしたオンラインイベント「お金のEXPO2022 オンライン」が開催されました。

19日に行われた『「歴史的円安」の局面、資産形成はこれからどのように行動すべき?』では、マネックス証券チーフ・FXコンサルタントの吉田恒氏による、円安局面での外貨投資についての収録講演が放映されました。

本記事では、内容を一部抜粋・編集して紹介します。

外貨投資の重要性

円安の状況下では、円ではなく外貨による投資を考えたいところです。ここで一つ、面白いデータがあります。

これはドル円相場のグラフに3種類の購買力平価のグラフを重ねたものです。購買力平価とは、物価をもとに為替レートを決定する考え方で、簡単に説明すると、コーヒー1杯を日本では120円、アメリカでは1ドルで買えるとする場合、1ドル=120円の為替レートが成り立つという考え方です。この購買力平価を輸出物価、生産者物価、消費者物価で算出したものがそれぞれ輸出物価PPP(黄)、生産者物価PPP(赤)、消費者物価PPP(水色)となります。

1990年頃から2013年にかけてはドル円相場が円高になると黄線まで下降し、円安になると赤線まで上昇する傾向が見られますが、一方で2013年以降は赤線と水色線の範囲内で推移していることがわかります。つまり、ドル円相場の推移が全体的に円安方向に移動しており、20年前や10年前と比較すると現在は円安になりやすく、かつ円高になりにくくなっていることがわかります。

かつての日本は貿易黒字大国でしたが、近年の貿易収支は赤字であるように、数十年間で経済構造は大きく変化しました。さまざまな経済構造の変化は為替レートにも影響し、長い年月をかけて為替レートの変動する範囲も変わってきたということです。

現在の円安は終わりに近い可能性があることはこれまで何度も述べてきました。それは間違いではなく、円安が終わったあとは2〜3割程度、円高に進む可能性が高いのですが、一方で上のグラフで示した通り、長期的には円安になりやすく、円高になりにくい構造もあります。そのため外貨投資の重要性は今後も増していくでしょう。

円安のメリット・デメリット

円安はデメリットとセットで報道されているために、ネガティブなイメージを持つ方が多いようです。しかし、円安とは円の対外的な価値の下落ですから、実はメリットもあります。

メリットとしてまず言えるのは、外国から見ると日本の製品が安く買えることから、日本企業の輸出が増えます。また、外国人旅行客の増加にもつながり、観光業が潤います。2022年3月期の上場企業の純利益が過去最高を記録しましたが、これは利益を押し上げた円安の貢献が大きかったようです。

一方でデメリットもあります。

日本から見ると外国の製品やサービスの価格が高くなることが一番大きなデメリットでしょう。また、日本はエネルギー資源のほとんどを外国からの輸入に頼っていますから、資源高が原材料価格を引き上げ、そして全般的な物価高を後押ししていることになります。

円安時代、外貨投資にどう取り組むか?

1998年頃から日本はずっとデフレが続いていたため、単純に円を貯金していればよかったのですが、それが今は変わってきました。足元の円安傾向も含めて、ポートフォリオに占める外貨保有の割合を中長期的に高めることが必要な時代になってきていると思います。

今年のドル円相場を見ればわかる通り、外貨は割安なときと割高なときがあって、それぞれ外貨投資の意味合いは大きく変わってきますから、今は割安なのか割高なのか、その線引きを客観的に行う必要があります。

また、近年は米国株が好調ということで、外国株投資に目を向ける方もいるかもしれません。外貨建てによる投資を行う際は、為替レートの変動に注目しましょう。ドル建て投資の場合、ドル円相場の5年MA乖離率のグラフを再び見てみると、現在はドル高の局面ですので今後数年間で大幅に下落する可能性をきちんと考慮する必要があります。

一方で赤丸が付いているようなドル安の局面では、これより下がるリスクが限定的と考えられます。したがって割安局面では積極的に中長期的な投資を行うチャンスです。

最後に外貨投資の取り組み方をまとめると、下落リスクが小さい割安局面では中長期的な視点で積極的に投資を行い、下落リスクが大きい割高局面では投資額の抑制やこまめな利益確定などを用いて損失限定の工夫を行いましょう。円安傾向が強い近年は、このようなリスク回避的な投資戦略で割安局面でも割高局面でも外貨投資に取り組む必要性が出てきた、そんな時代ではないかと考えています。

※本記事はマネックス証券株式会社のスポンサードコンテンツです。

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