はじめに
スプーンの扱い方(右利きの場合)
スプーンの基本的な持ち方
中指の第一関節よりやや下の位置に、スプーンの柄の上から約3分の1の箇所が当たるようにのせます。親指は上から軽く押さえ、人差し指は軽く添えます。
スプーンを使ったスープの食べ方
飲み物やデザートを除けば、スプーンを使うのは、主にスープを食べるとき。「イギリス式」ではお皿の手前から奥へとスプーンを動かし、「フランス式」ではスプーンを奥から手前へと動かします。
どちらも正式な食べ方ですから、慣れている食べ方で問題ありません。ただし、会食の場では、周囲の人の食べ方に合わせるのがマナーです。イギリス式が多ければイギリス式、フランス式が多ければフランス式と、型を合わせると安心です。
スプーンの形状で、口への運び方が異なる
丸いスープスプーンであれば、スプーンの横に口を当てて、音を立てずにスープを食べます。先のとがったスプーンであれば、スプーンの細くなっている先端を口に当てて、スープを流し入れます。
いずれも大きな口を開けたり、スプーンをまるごと口の中に入れないこと。また、ズルズルとすすったり、音を立てて食べることは、大変恥ずかしい行為ですから、気をつけてください。あなたはよくても、周囲の人を不快にさせ、同伴者に恥をかかせることになります。
スープが減って食べづらくなったら……
スープの量が少なくなって、うまくすくえなくなったら、お皿の左手前を軽く持ち上げます。スープをお皿の奥に集めることで、すくいやすくするわけです。
お皿の手前側を持ち上げると、底を相手に見せずに済みます。お皿の底を見せないという相手への配慮からなる所作なのです。
カトラリーのタブー
(1) カトラリーで相手を指す
(2) カトラリーを相手に向けながら話す
(3) 食事の最中や食事終了時、相手に刃を向けてナイフを置く
(4) ナイフに料理を刺して食べる
(5) カトラリーに付いたソースをなめる
カトラリーを使った中座と食事終了のサイン
食事の途中で中座したのか、完全に食べ終わったのかは、フォークとナイフの置き方で周囲に伝えられます。
このナイフとフォークの置き方は、「イギリス式」「フランス式」「アメリカ式」が主流となっています。
3つとも正しい型なので、マナー違反になることはないのですが、会食ではほか
の出席者に合わせることをおすすめします。多くの人が実践している型か、最上位の人の型に合わせるわけですね。あなたが最上位であれば、自分の慣れた型を選べば大丈夫です。
イギリス式
食事途中のサイン
ナイフの上にフォークを交差させて、お皿の中央に置きます。ナイフの刃を内向き、フォークの背を上向き。
食事終了のサイン
お皿に対して時計の6時の位置で、縦にまっすぐに並べて置きます。ナイフの刃を内向き、その左にフォークの背を下向き。
フランス式
食事途中のサイン
ナイフとフォークを「八の字」になるように、お皿の中央に置きます。ナイフの刃を内向き、フォークの背を上向き。
食事終了のサイン
お皿の上に時計の4時か3時の位置で、並べて置きます。ナイフの刃を内向き、その左にフォークの背を下向き。
アメリカ式
食事途中のサイン
ナイフとフォーク、それぞれの先端をお皿にかけて「八の字」に置きます。ナイフの刃を内向き、フォークの背を上向き(持ち手はテーブルの上)。
食事終了のサイン
お皿の上に時計の3時の位置で、並べて置きます。ナイフの刃は内向き、その手前にフォークの背を下向き。