はじめに
少し働くことで、老後の資金寿命を伸ばすことができる
退職金など合わせて、それなりに老後資金がある人もいるかも知れません。しかし、定年後はそのままリタイアしてしまうと、たとえ老後資金が潤沢にあっても、どんどん減っていきます。ところが、少し働くことで資金寿命を延ばすことができます。たとえば、さきほどの例で紹介した月10万円の給与で働いた場合、老後資金を取り崩さなくても生活できるようになります。そうすれば簡単に資金寿命を延ばすことができます。また、70歳まで働くようにすれば、その間年金を繰り下げることができて、年金の受給額を増やすこともでき、さらに資金寿命を延ばすことができるのです。
60代は、年金生活の助走期間
現役生活と年金生活の間の時期がこの60代です。この間に年金だけでも困らないような生活レベルに持っていくようにする必要があります。ずっと現役生活と同じような生活レベルを続けてしまい、年金だけの生活になったときに収支のバランスが取れずに、あっという間に老後資金が無くなったという話はよく聞きます。この時期に生活のダウンサイジングをして、生活レベルの見直しをしましょう。年金生活になって一気に生活レベルを落とすのは難しいのです。ですので、この期間が年金生活への助走期間と考えてください。