はじめに

●つみたてNISA、統合NISA
つみたてNISAは、年間40万円までの投資で得られた利益を最長20年にわたって非課税にできる制度です。投資で得た利益(運用益)には通常20.315%の税金がかかります。しかし、つみたてNISAを利用していれば、この20.315%の税金がゼロに。本来支払わなければならない税金分を減らすことなく次の投資に回せますので、効率よくお金が増やせます。

つみたてNISAでは、金融庁の基準を満たす投資信託・ETF(上場投資信託)に投資を行います。いずれも手数料が安く、長期・積立・分散投資でお金を増やすのに適したものが揃っています。一度設定すれば、あとは一定のタイミングで自動的に買付が行われるので、普段忙しい方でも簡単に投資ができます。ネット証券の中には、月100円から取り組めるところもあるなど、試しやすいのもメリットです。

なお、現行の一般NISA・つみたてNISAの買付は2023年末で終了し、2024年からは新しいNISA制度がスタートします。一般NISAとつみたてNISAを合わせた制度なので、ここでは「統合NISA」と呼びます。統合NISAでは、投資可能期間が恒久化され、非課税期間が無制限になり、年間の投資額が120万円(つみたて投資枠)+240万円(成長投資枠)までとなるなど、大幅に拡充されます。

【現行NISAと統合NISAの概要】
(株)Money&You作成

2023年のつみたてNISAで投資した資産は、2042年まで統合NISAの非課税投資枠とは別枠・非課税で持ち続けられます。できれば2023年から、早くつみたてNISAを始めることをおすすめします。

●iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)
iDeCoは、国民年金・厚生年金といった公的年金の上乗せ部分を用意する私的年金のひとつです。iDeCoでは、自分で出した(拠出した)掛金を自分で運用することで、その結果を60歳以降にもらいます。iDeCoでも、一度設定すれば、コツコツと積立投資が進められます。

iDeCoでは、掛金の拠出時・運用時・受取時にそれぞれ、節税ができます。
・拠出時:掛金が全額所得控除できるため、毎年の所得税や住民税の負担が減る
・運用時:運用益にかかる税金(通常20.315%)が非課税になる
・受取時:一時金で受け取る場合「退職所得控除」、年金で受け取る場合「公的年金等控除」を使うことで、税金の負担が軽くなる

iDeCoでは、定期預金・保険・投資信託で運用ができます。定期預金・保険でも掛金の全額控除のメリットは得られますが、運用益非課税のメリットを生かしてお金を増やせる投資信託がもっともおすすめです。

■自分に合った投資先はどう決める?

自分に合った投資先や資産配分を決めるときは、自分の「リスク許容度」から考えていきます。リスク許容度とは、「どのくらいまで損しても大丈夫か」の指標のようなものです。リスク許容度は人により異なります。一般に、収入が多いほど、資産が多いほど、年齢が若いほど、投資経験があるほど、リスク許容度が高いとされています。ただ、リスク許容度が高いとされている方でも「お金を絶対に減らしたくない」ならばリスク許容度は低くなります。自分のリスク許容度を知ることが何より大切です。

投資信託は、投資先によってリスクとリターンが大きく変わります。一般に、国内より先進国、先進国より新興国に投資するほうがハイリスク・ハイリターンとなります。また債券より不動産、不動産より株式のほうがハイリスク・ハイリターンです。

堅実にお金を増やしたいのであれば、1本で株式・不動産・債券など複数の資産を組み合わせている「バランス型」、積極的に投資をするのであれば、世界中の株式に投資する「世界株インデックスファンド」または米国の株式に投資する「米国株インデックスファンド」で、なるべく手数料の安いものを選ぶようにするといいでしょう。

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