はじめに
2023年に起こりうる「間違い」とは?
さて、11月以降米ドル/円はそれまでから一変し、大きく下落に転じました。今回の米ドル/円の上昇は、2021年1月102円から始まりましたが、2022年10月151円まで上昇トレンドが続く中では、過去120営業日の平均値である120日MAにサポートされてきたものの、11月以降の米ドル急落で、そんな120日MAを大きく割り込んできました(図表4参照)。これまでの上昇トレンドにおいてなかった現象が起こったということは、下落トレンドへ転換したことを示している可能性があるでしょう。
米ドル高・円安は、2022年10月の151円で終わり、米ドル安・円高トレンドに転換したとなると、その相場で利益を出すためには、これまでの米ドル買いから米ドル売りに転換する必要がありそうです。
米ドルは円より金利が高いため、米ドルを買うことは金利差、これをFXではスワップポイントと呼びますが、この金利差も収入となるのに対し、金利の高い米ドルを売るとなると、逆に金利差は支払いになってしまうということです。それでも、米ドルが大きく下落するようなら、スワップポイントの支払いは手数料のような感覚にできるかもしれませんが、米ドル安・円高へトレンド転換した可能性があるにもかかわらず、意外に米ドルも下がらないという状況が続くような場合は、高い金利の米ドルを売ることに伴うスワップポイントの支払いもきつくなるかもしれません。
私は、米国が2023年も大きく金利を下げるかはまだ微妙な状況の中では、意外に米ドルも下落せず、高い金利の米ドル売りが「間違う」といったリスクにも注意が必要ではないかと考えています。