はじめに

住宅ローンへの影響

それではこの見直しは家計、とくに住宅ローンにはどのような影響があるのでしょうか。次の図のように、住宅ローンを組む際の金利は、変動金利と固定金利ともに、参考とする金利や影響を与える金利が異なります。

不動産流通経営協会が行なった「不動産流通業に関する消費者動向調査 <第26回(2021年度)>」によると、民間住宅ローンの金利タイプ別の利用者は、現状では変動金利がメインで80%を超えてきており、固定金利タイプはすでに上昇してきています。

※画像:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」より引用

また、「プライムレート」とは優良企業に対する貸出に適用される「最優遇金利」をあらわし、1年未満を短期、1年以上を長期として区別しています。今回の見直しでは金融緩和継続ということもあり、この部分については基本的にはまだ変動はありません。

一方、固定金利タイプについてはさっそく2022年12月30日に、大手銀行が0.1%から0.3%程度引上げました。たった0.1%違うだけでも、5,000万円の35年ローンだと、総返済額で90万円程度の負担増となるため、家計には厳しくなります。

金利先高観によるデフレ化懸念

このような金利情勢を踏まえ、今後の見通しとして注意しておかなければいけない点があります。それはまず、大企業での設備投資や個人消費が緩やかに回復しつつあり、賃金上昇期待も高まるものの、ただでさえ海外発のコストプッシュ・インフレに悩まされているなかで、将来の金利上昇懸念によって、国内経済の成長にブレーキがかかる可能性が大きくなってきます。

また、日銀は1月17日(火)・18日(水)に金融政策決定会合を開き、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」にて物価や景気に対する委員の見通しを公表します。この2024年度の物価見通しを2%近くとする案が浮上しているようです。

この結果、もし市場が2%の物価安定の目標が達成されつつある、達成に近づいているというような解釈をした場合、黒田逆バズーカ再噴射で大きな株価下落・ドル円高の再来となる可能性も否めません。

個人ができる対策は?

以上を踏まえ、家計を守るために個人ができる対策を考えていきましょう。

まず、デフレマインドから脱却しインフレ時代に備える心構えが必要ということです。現状の経済情勢を踏まえ、金利の上下に関わらず、想定範囲を広めにとっておいて事前に備えておいたほうが無難です。市場の個別的な動きでは、2022年末においては銀行株が独歩高となりました。今後、銀行株主導で徐々に内需銘柄へ資金がシフトしていくのかも注目しておきたいところです。

そして、賃金はそれほど上がらず、生活費は着実に上昇、資産や年金は増えないというつもりで家計を見直してみようと思うことが先決です。また、仕事や働き方、貯金、保険、運用など、いままで以上にリスクに備えて分散しておく、という意識も必要になってくるでしょう。

家計の収入と支出の把握からまずは始めてみて、将来計画を立てる、見直してみる機会として捉えていただくとよいのではないでしょうか。

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