はじめに
リスクや失敗時の話より、良い話ばかりをする
投資家「そうだよね。運用の話はよく聞くけど、何かいい投資はないかな…」
営業員「今の時代、資産運用は必須ですよ。株式投資だとリスクが高いですが、長期分散投資でバランスの良い運用をしておけば、リスクを抑えて安定したリターンが期待できます。プロに運用も任せておけば手間もかかりませんし」
投資家「安定した運用ならいいね。そんなに増えなくてもいいから減らない投資のほうがいいよ。でもそんなにうまくいくの?」
投資にうまいだけの話はありえない
日々商品の販売に力を入れている営業員は、人の心に入り込むのが上手です。詐欺ではないので、「確実に儲かる」「あなただけに特別」「●%は固い」などのような断定的な言葉は使いません。しかし「損をしないで儲けたい」という投資家の心理を巧妙に突いてきます。
投資とはそもそも何らかの投資対象に資金を投じ、利息などの収益(インカムゲイン)と売却時の値上がり益(キャピタルゲイン)のトータルでプラスを目指すものです。
そして、投資では「元本保証」はありえませんし、「損をしないで儲けることができる」ように捉えられる表現は好ましくありません。お客様が許容できるリスクを適切に説明し、良い話よりもむしろ、どういったときに損をすることが想定されるのか、悪い話を重点的に話すべきです。
もちろん提案するからには良い投資だと考えているはずですから、商品自体がおすすめという結論になるのは当然です。ですが、「あなたにとって」良い投資といえるかは別の話です。