はじめに

1月16日週「相場の値動き」おさらい

最後に今週の相場も見ていきましょう。

1月18日(水)発表の12月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%低下と市場予想下振れ。12月の米小売売上高は前月比1.1%減と、2ヵ月連続での鈍化となったほか、消費関連の企業決算が軟調だったこともあり、個人消費減退を示す懸念からリセッションが意識されています。

12月米鉱工業生産指数も1.3%低下と市場予想を下回っており、インフレ鈍化&利上げ減速を好感した買いと、景気減速を懸念する売りや利益確定売りが綱引きとなる中で、1月16日週は売りが優勢となったようです。

日本では1月17日(火)・18日(水)に開催された日銀金融政策決定会合で、日銀が金融政策の現状維持を決定しましたね。短期金利にマイナス0.1%を適用し、長期金利はゼロ%程度を誘導水準とする方針を維持するとのことで、長期金利の許容変動幅も12月に変更した上下0.5%幅に据え置きました。コアCPIの前年度比の上昇率見通しは2022年度が3.0%と従来の2.9%から上方修正、2023年度はプラス1.6%とされています。

日銀が12月の会合において金利水準のゆがみを是正するためとして長期金利の上限を0.5%程度に引き上げるサプライズをしたことで、今回は金融政策修正への警戒感が意識されていましたが、日銀金融政策決定会合の無風通過で、株式市場には買い安心感が広がったようです。

一方、金融政策修正への警戒感で、市場では国債を売る動きが強まり、長期金利は0.5%を超えて推移していましたが、会合後に長期金利は大幅に下落しました。イールドカーブ(利回り曲線)をみると、歪みが見て取れます。9年債利回りが10年債利回りを上回る状況、国債市場機能の低下が続いているといえます。

日米ともに、イールドカーブや債券の動向にも目を向けてみると、より投資のチャンスが広がるかもしれません。

また1月16日週は日本の個人による2022年のFXの取引額が前年比2倍の1京2074兆円と、1京円の大台を超えて過去最大となったとの報道もありました。FXなど株式以外についても、この連載でお伝えしていければと思います。

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