はじめに
■コア資産の積み上げ(3)米国ストリップス債
米国債は、米国が発行する国債です。米国はいわずと知れた世界経済の中心で、GDP(国内総生産)が世界一。国債には、発行先が破綻してしまう信用リスクがありますが、米国が破たんすることは考えにくいでしょう。米国債の格付けは日本の国債より高いにもかかわらず、日本の個人向け国債よりも利回りが高くなっています。
米国債には、
・利付債…持っている間利息が得られ、満期になると元本が返ってくる債券
・ストリップス債…割引で販売されて、満期になると額面の金額が受け取れる債券
の2種類があります。
おすすめはストリップス債です。ストリップス債は、持っている間の金利が元本に組み込まれるため、複利効果を受けやすくなります。複利効果を受ければ、利息に利息がついて加速的にお金を増やすことができるでしょう。
米国債は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券で購入できます。購入したらあとは償還日まで持ち続けるだけで、普段から値動きをチェックする必要もありません。忙しい方でも手軽にできる投資です。
また、株と債券の値動きは異なることから、リスクの軽減に役立ちます。株だけでなく債券も持っていることで、どちらかが下落したときにはもう片方が値上がりするためです。そのうえ、米国債は米ドルでやりとりするため、資産を日本円と米ドルにわけて持てるという点でも役立ちます。
■コア資産の積み上げ(4)金投資
金(Gold)は「有事の金」などと呼ばれ、何か大きな問題が発生したときなどに買われる傾向があります。金そのものに価値があり、経済危機などの不測の事態があってもその価値がなくならないからです。実際、新型コロナ禍で市場が急変するなか、金価格は上昇しています。
金に投資するならば、純金積立か金ETFがおすすめです。純金積立は、毎月お金を出して金をコツコツ買い付ける投資。田中貴金属工業・三菱マテリアルといった貴金属会社や、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券でスタートできます。
また金ETFは、金の価格と値動きが連動する上場投資信託です。たとえば、「SPDRゴールドシェア」は、世界最大の金ETFとして知られています。こうしたETFを利用すれば、現物の金に投資するよりも低コストで金に投資ができます。金ETFは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券といったネット証券で買うことができます。
■コア資産の積み上げ(5)特定口座での投資信託・ETF
ここまで紹介したコア資産の積み上げを行なってもなお余裕資金があるのであれば、特定口座で投資信託やETFを購入するのもいいでしょう。NISAやiDeCoと違って利益に税金はかかってしまいますが、それでも投資の力を借りてお金を増やすことができるからです。
投資信託であれば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような、全世界株に投資するインデックス型がおすすめ。非常に低コストで世界のさまざまな株式への投資が実現します。
ETFであれば、世界株ETFの「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)」、全米株ETFの「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を利用するとさまざまな銘柄に分散投資できます。
また、高配当株ETFの「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」、増配株ETFの「バンガード・米国増配株式ETF (VIG)」は下落相場や暴落相場に強いのでおすすめです。
ただし、2024年から始まる新しいNISAでは、つみたて投資枠・成長投資枠を生かした非課税の投資ができるようになります。つみたて投資枠ではつみたてNISAと同じ投資信託が購入できますし、成長投資枠でETFを購入すれば運用益が非課税になります。2023年はお金を貯めておいて、2024年から新しいNISAを利用するというのも良いでしょう。