はじめに
■サテライト資産(1)日本株
ここまでコア資産についてお話ししてきました。コア資産が手厚く用意できてきたら、サテライト資産にも投資して、お金を積極的に増やすことを考えてもいいでしょう。サテライト資産の役割は、大きな値動きを生かして積極的に投資し、利益を狙うことです。
サテライト資産の代表は株式投資。株は、買ったときより値上がりしたときに売却すると値上がり益、保有していると配当金が得られるほか、株主優待がもらえる場合もあります(配当金・株主優待は実施していない会社もあります)。
おすすめは好業績銘柄が絶対です。特に2022年から、市場は不安定な動きを見せていますが、業績のよい銘柄は、下落や暴落にあってもそこからいち早く立ち直り成長していくものだからです。テンバガー(株価が10倍になること)を目指せる銘柄も、市場の動向にかかわらずに成長する好業績銘柄から生まれる可能性が高いと見ています。
「会社四季報」をチェックして、好業績銘柄を探してみましょう。過去5期分+予想2期分の売上高や営業利益が毎年右肩上がりで伸びているものをスクリーニングします。
■サテライト資産(2)米国株
「FIRE」(経済的自立と早期リタイア)を目指す人の投資先として話題となった米国株もおすすめです。米国経済は世界の中心でありながら、まだまだ成長する余地がたくさんあります。そのうえ、多くの企業は年4回配当を行うなど株主還元に積極的。配当金の高い「高配当銘柄」や配当金を毎年増やしている「連続増配銘柄」もたくさんあります。しかも、米国株は1株から投資できるので、少額からでも取り組みやすいのがメリットです。
先に紹介した全世界の株に投資する投資信託やETFの投資先には、米国株が多く組み入れられています。それであれば、米国株を直接買おうというわけです。
もっとも、目下米国株式市場も動きが不安定で、近年世界を牽引してきたGAFAMにさえも逆風が吹いている状況です。ですから米国株も、日本株と同様に好業績の銘柄を選ぶようにしましょう。また、値上がり益(キャピタルゲイン)狙いなのか配当(インカムゲイン)狙いかを決めておくことも大切。
なお、日本株・米国株も前述の「コア資産の積み上げ5」同様、2024年からは新しいNISAの成長投資枠を利用して投資が可能。2023年は投資資金を貯めておく、あるいはコア資産(2)~(4)で紹介した投資を活用するなどして安定的に2023年をしのぎ、2024年になったら新しいNISAを利用して投資をスタートさせるのも良いでしょう。
以上、お金に余裕が出てきた方が取り組む投資について紹介してきました。コア・サテライト戦略を活用して、守りながら攻める投資をすることで、お金を減らさずに増やす運用が実現します。ご自身の投資にぜひ取り入れてみてください。