はじめに
「気軽に相談できない同僚」との距離を縮めるには「打ち合わせの冒頭2分」がカギ
親しくない同僚に聞きたいことを聞けずにモヤモヤする「KYS(空気読みすぎ)」
前の項で、「ほとんどの上司は、不機嫌そうに見えても不機嫌ではないし、あなたからの相談を待っている」とお伝えしました。
しかし、相談相手は上司だけではありません。 社内で一緒に仕事をする同じ部署のメンバーや、後輩や部下とのコミュニケーションも重要です。 また協力して仕事を進める他部署の社員もいます。
連携する社員との心理的な距離が遠いことも、ムダが発生しやすい要因です。いつも否定的な反応ばかりする人や、そもそも反応が薄くて手ごたえがない人などは、とてもコミュニケーションが難しい相手です。
「もしかしたら、自分は嫌われているのではないか?」、「もしかして、自分は避けられているのではないか?」なんて思えてきてしまいます。 そして、いつしか話しかけることも億劫になってきます。いわば 「KYS(空気読みすぎ)」 なのです。『嫌われる勇気』という本がベストセラーになっていますが、いわば、「嫌われる勇気」が持てずに、距離が縮められないわけです。
そんな「とっつきにくい相手」とは、どうやってコミュニケーションをとり、関係を築けばよいのでしょう ?
解決策
ここで、相手との人間関係を築きたいときに有効な、ちょっとしたコツを紹介しましょう。
それは、相手との雑談のときに、 「自分との共通点を2つ見つける」 ということで す。共通点とは、たとえば、九州出身とか、お酒好きとか、キャンプが趣味とか、好きなタレントとか、なんでもオーケー。
「○○さんは、どちらのご出身でしたっけ ?」
「〇〇さんは、お酒、飲みますよね。オススメの日本酒ってあります ?」
というように、さらりと聞けば、何かしらの共通点が見つかるもの。 ちなみに、鉄板は飲食の話。まず外しません。
共通点が見つかれば、人間関係が良好になります。
もちろん、相手がプライベートについて聞かれるのが嫌そうなら、自分から情報を開示していれば、相手が「あっ、私もです」って、乗ってくるかもしれません。
別に、無理に話しかける必要はありません。たとえば、その人との「打ち合わせの2分間」は意識的に雑談をすると決めておくとよいでしょう。何回か繰り返すうちに、徐々に打ち合わせの雰囲気がなごやかになってきます。
相手の話を聞くときは、とにかく、しっかりとうなずきながら聞くことが大切 です。
余談ですが、リモート会議では、普段の会議よりも、さらに大きくうなずかないと話している相手に見えません。 「うなずきは、リモート会議で最強のリアクション」 だと覚えておいてください。
さらに、もっと気軽に相談してほしいと考えているのでしたら、「口角を上げる」ことを意識しましょう。
相手は、あなたが笑顔なら、つられて笑顔になるもの。
これを「ミラーリング効果」といいます。 コミュニケーションについて考えるとき、忘れてはいけない概念です。