はじめに

買おうと思えば買えないことはないけれど

続いて、お悩みの新車の購入についてですが、結論から言うと、家計の無駄を改善した上でも、400万円の新車購入は厳しいでしょう。

今後は妻が働きにでられたことで、家計は少し楽になると思います。また上記の家計改善も実行すれば貯蓄ができる家計になっていくと思います。買おうと思えば、買うことは可能です。

しかし、現在は現金貯蓄が15万円しかなく非常に不安定な状態です。生きていれば様々な想定外のリスクがあります。職場環境の変化により給料が少なくなることもあるかもしれません。体調を崩して想定していた収入が得られなくなるかもしれません。そうした状態にも備える「生活防衛費」として、生活費の6カ月分は現金の確保を優先すると良いと思います。

一度上がった生活水準を下げるのは大変

6年前に200万円ほど収入が減り、現在はほぼ元の水準に戻りつつあるとのことですが、相談者様はまだ、「収入が高かった状態」の価値観を引きずっている可能性もあります。英国の歴史学者・政治学者パーキンソン氏が提唱した「パーキンソンの法則」の第二法則では、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」というものがあります。そして、一度上がった生活水準は意識しないとなかなか下げられないものです。

一度自分の支出状況を客観的にみて、「本当に必要なのか」「見栄や欲で欲しいだけなのか」を考えてみましょう。

もちろん、新車が「必要」で、生活防衛費もしっかりと確保できた上で、将来の学資・老後資金も設計できていれば全く問題ありません。夫婦の収入を合わせれば買うことはできます。相談者さまの価値観が、車が生きがいであり、車のために生きているということなら、車を優先するという考え方もいいでしょう。

ただ、ファイナンシャルプランニング全体を見た時に、教育費・老後・住宅など(学資、老後、介護、修繕費など)のコストがこれからもかかることになるので、かなり厳しい状況だと思われます。

お金が貯まる人になるためには

お金の貯まらない方には2つのパターンがあります。

一つは、収入より支出が多かったり、収入が少ないために「貯蓄」ができないパターン。もう一つが、収入はしっかりあるものの、「負債」を買ってしまい、支出が増えていくパターンです。

ロバートキヨサキ氏による名著『金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(筑摩書房)では、「資産とは、あなたのポケットにお金を運んでくれるもの」「負債とは、あなたのポケットからお金を奪っていくもの」と定義しています。

お金持ちになるには「資産」にお金を払っていく必要があります。資産は自分に収益をもたらしてくれるもので、資産を得るためにお金を使うと資産がお金を呼び込んでくれます。

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