はじめに
お金の置き場所をチェックしよう
「とってもできる看護師」は預け先もしっかり検討しています。
年金が不安な人は、老後貯金として「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を活用。月2万円を確定拠出年金で積立すれば、年収600万円、所得税10%、住民税10%として計算を行うと、所得税・住民税を合計4万8,000円も軽減できるのでとてもお得です。
iDeCoは原則60歳までお金を引き出すことができませんが、老後資金を貯めるためであれば最優先してもよいでしょう。ただし、勤務先で掛金を拠出する「企業型確定拠出年金」で、個人の負担額がない場合は税金のメリットはありません。
確定拠出年金をしている方は、自分が加入しているのが「個人型」か「企業型」なのかを理解しておくことが重要です。
「とってもできる看護師」は、給料明細もしっかりチェック。「できない看護師」や「できる看護師」が見るのは振込金額だけのことが多いですが、彼女はお給料から引かれる「控除額」も確認します。
みなさんも社会保険料・所得税・住民税の額を確認してみてください。あらためて見ると金額の大きさに驚かれることでしょう。そのなかでも注目したいのが「住民税」です。
住んでいる市町村に支払うこの住民税の一部を、ほかの市町村に納付できる制度が「ふるさと納税」です。
全額をほかの市町村に収めてしまっては、その市町村の税収がなくなってしまうため、一定の上限が定められていますが、おおよそ自分の住民税の20%が目安となります。なお、収入や家族構成、住宅ローン控除、生命保険料控除など控除になる項目が一人ひとり異なるため、詳細な金額はふるさと納税のサイトなどで確認してください。
そして、ふるさと納税のもう一つのメリットが返礼品をもらえること。筆者は1万円を納税し、新米20キロ送ってもらいました。なにもしなければ住んでいる市町村に支払っていただけの1万円ですが、この仕組みを利用することでお米20キロが手に入ったということになります。
“なんとなく”でお金は増えない時代です
「とってもできる看護師」になるために、とくに気をつけたいのが冒頭の「できない」例で挙げたスタバやコンビニなどで使ってしまう“ラテマネー”と呼ばれる支出です。
アメリカの資産アドバイザー、デヴィット・バック氏は著書『The Automatic Millionaire(オートマチックミリオネア)』のなかで、毎日なにげなく使っているスターバックスの「カフェラテ1杯分=おおよそ1日10ドル(毎月300ドル)」を年利10%で積み立て運用すると、40年後の受取額は2億円にもなるという例を出しています。
1回あたりの支出額が少なく、とくに必要がなかったと思えるお金“ラテマネー”でも、節約し運用すれば大金になるということです。
現在の普通預金の金利は0.001%ですので、そこまで増えないとしても、330円のカフェラテを我慢して貯金箱にいれるとすると、平日1ヶ月22日分として6,600円ですから、1年で7万9,200円。10年で79万2,000円になります。
そう考えると、小さな支出もしっかり考えて使うことがとても大切です。
ストレス発散しようと思っても、残業が多かったり夜勤など不規則な勤務体系だったりすると自分の時間があまりありません。貯金がたくさんあるか、まったくないか「二極化」する人たちの分かれ道は「時間がないこと」をどう活用するかです。
今回は看護師を例にご紹介しましたが、現代女性はとても忙しく、自分の時間がとりにくいものです。
ただし、それを言い訳にして無計画に外食や趣味にお金を使ってしまうとお金は手元に残りません。そして、使わないお金をただ貯めていても金利はほとんどつかない時代になっています。
税金が安くなる方法や資産運用についての情報を集め、「お金の置き場所」も工夫をするとよいでしょう。