はじめに

儲けの最大化より「後悔の最小化」

鈴木: 次のお便りが「円だけ持っておいては危険ですか」です。これが今の話ですかね。

瀧: 危険かどうか。すごく賢い人がなぜ海外に資産を持っているのかというのは知っておいたほうがいいかと思います。

それは、円高と円安になることがわかっている人がいないんですよ。世の中では、すごく円高になることもあれば、円安になることもあります。これは為替レート、私も野村證券でそういった予測をやる部署の近くにいましたが、これは一番難しいと言われています。株価より予測するのが難しいんですね。本当に意味がわからない理由で変わる。日本で大震災が起きて円高になる、もう説明不可能なんですよね。

鈴木: 確かに。突然起こりますしね。

瀧: そういうときにわからなかったら「半分は外貨で持てばいいじゃん」という理論があるんですよね。これもまた「わからないことはわからなくていい」という投資の言葉があります。わからなくて、かつ3カ月を超えるリスクをとっていいものであれば、半分は外貨で持っておく。そうすると、円高でも円安でも後悔は一番少ないよね、という。

儲けを最大化していくと辛いんですよ。でも、後悔を最小化することは意外に考えられます。なので、半分くらいの運用だったら外貨を持っていていいんじゃないかと。私は外貨を持つ方なので、そう思っています。

鈴木: きんゆう女子のメンバーでも旅行好きな方が多くて、そういう意味でも外貨を持ちたい人は多かったですね。

瀧: 海外へ行ったとき、お金の引き出しや為替でめちゃくちゃ抜かれるのは嫌じゃないですか。ああいうものは、いろんな多通貨引き出し型みたいなカードがありますよね。今だと住信SBIさんかな。いろんな通貨で現地のATMで引き出せるものがあります。そういう海外でも使える預金カードがあるんですよ。ぜひ海外旅行に行く人は、そういうのを見ていただくといいと思います。

家事のアウトソース=時間の確保

鈴木: ありがとうございます。次のお便りなんですけれども「キャリアと育児の両立についてとか、働き方、生き方について聞きたいです」というものがあったんですけれども。

瀧: これ、重いな……。いや、ここは参考にしないほうがいい。

鈴木: 私自身も参考にならないかもしれない。

瀧: 起業家というのは、ちょっと頭がおかしいんですよね。それは否めないので、この人たちは参考にならないと思うんです。でも、よく言うのは本当に頼れるものには頼ることはすごく重要な観点だと思っています。最近、すごく安いベビーシッターさんがありますよね。昔だったら3,000円みたいなレートがあったのが、1,000円台でシッターさんを短期借りできるみたいなケースがありますよね。

鈴木: 家事代行もありますね。

瀧: そうですね。ご自身の時給感覚とアウトソースできる家事感覚って、すごく難しい話ですよね。それこそ、しっかりした保育園に入れると、本人より経費かかるじゃないですか。稼いできた以上に子供が使う。「自分で保育をやって、自分に払えないか」というレベルのことが起きるじゃないですか。だから、そこは時給の感覚と周りに頼れる感覚と、アウトソースすることで、実はお金の問題や時間の問題じゃなくて、ご自身の考え方がちょっと自由になるところがあると思うんですよ。

鈴木: 確かに。

瀧: 自分自身の過ごす時間の使い方で、選択肢がすごく変わっちゃうところがあります。ある程度、そこの自由度をお金で買う発想はきっとあると思うんですよね。

他はどうなんでしょうね。できるだけ距離というか、移動時間でも変数としてあったりするので、引っ越しを考えるのはけっこう有効ですね。住むところを変えると、けっこう人生が違う回り方をするじゃないですか。

鈴木: だいぶ変わりますね。1時間でも。

瀧: 私は会社のある駅に住んでいます。うちの会社は15分圏内に住むと2万円の補助制度とかあるので加入してみたんです。そうすると、会社が終わってもやることない人たちと勝手に懇親会をやったりするんです。

住むところ変えると、会社に限らず付き合う人もすごく変わります。それで突破をはかるというのは、私はちょっとリスクをとりすぎかもしれないですけど。発想としては考えづらい部分なので、むしろ考えたほうがいいかなと思います。

鈴木: 今となっては参考にならないかもしれないんですけれども、私は大学時代に奨学金を借りているんですね。20年間返済なので、今も毎月返済をしています。そもそも大学のときに金融にもうちょっと目覚めていたら良かったなと思うほどだったんですが。起業して1年半経っているので、今、最大限のリスクをとっているなと自分でも思っているんです。今32歳なんですけども、あと3年は思い切りリスクをとろうと覚悟を決めちゃいました。

なので、3年間は思いっきりリスクをとります。冒険をします。ただ、最大限の守りはやっておこうと思っています。先ほど瀧さんは3カ月の貯金とおっしゃってましたけども、私はそういう意味では振り切っているので、まず1カ月は絶対死守するみたいなことをやっています。

あと、投資の練習はしています。実は今、1,000円や100円でもスマートフォンでリアルな投資ができます。ゲームでも投資の感覚を身に付けられるので、いつか私、近い将来、運用や資産を作っていくフェーズになったときに、「自分の軸はこうなんだ」とはっきり言えるような自分でいたい。なので、ちょっと長い時間はかけてになるんですけれども、1年、2年、3年後のために今投資の練習をしています。

「有機物につながるものは削減するな」

鈴木: あとは日々、自分が稼げるようになるための工夫やアクションを必ず入れてます。アクションするのが非常に大事かなと思っています。何でもいいんです、人と会ったり、お金のことを今日少しでも1,000円でもいいから何かプラスにできたりすることがあれば、まずアクションしてみることを毎日考えて工夫してます。

「もっとしたいな」と思っていることとしては、大事な人との関係をもっと丁寧に作っていきたいんです。この1年半、すごく得るものもあったんですけども、一方で忙しいと失うものもありました。

忙しいって「心を亡くす」と書くじゃないですか。失ったものもあるなと思いましたので、これからはもっと大事な人のことを「大事にしてるよ」と本人に言ったり、もっと生活を丁寧に生きたり、ちゃんとした食べ物を食べて自分を大事にしたり。そういったところを大切にしたいなと思っています。あとは、奨学金を早く返したいですね。

瀧: 「心を亡くす」というのは、なんか重いです。聞いててつらいですね。

そうですね、ゆとりを持ってちゃんとやりましょう。資料の最後のほうに1カ所だけ、私が言ってなかったことがあります。私がすごく大事にしていただきたいなと思っているのが、「支出を削らなきゃ」「3カ月分を貯めなきゃ」というときに、まさに鈴木さんがおっしゃってことで「一番大事なものを削らない」が大事なんですよね。

その大事なものとは、意外と交際費とかだったりするんですよね。人間は有機物です。無機物だったら無理がきくんですけど、有機物はお腹が悪いと膝にくるとか、いろんな関連が体や心にあります。

長く働き続ける方法を考えてみます。皆さんの働く力まで含めた資産のパイチャートを作ると、おそらく7割以上、8割以上ぐらいの資産が「働ける自分」なんですね。働くことが嫌になることはすごくいっぱいあると思うんですけど、世の中の仕事はつらいことも含まれていたりします。それでも社会と一緒に生きていく部分でのご自身は、すごく大事な資産なんですよね。

もちろん、自分への投資は、すごいいいカバン買ったり、いろんな名目に使われていたりします。これは我々も気をつけなきゃいけないところですが…。「正しい自分への投資とはなんだろう」というのは先ほど言った7割の資産をちゃんと運用するために一番大事なものです。理論的にも言えます。けっこう偉い大学の先生も、ずっと言い切っています。適切な趣味も大事ですし、健康的な働き方ができるというのが一番の資産と思っていただければと思います。

鈴木: 皆さん、今日はありがとうございました。

(会場拍手)

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