はじめに

投資対象は、時価総額5000億円以上の安定銘柄

■「安定している企業」の定義とは?

僕がトレードの対象にしているのは、時価総額5000億円以上の銘柄です。

実は重要なのは、時価総額の数字ではありません。時価総額の大きさによって、「安定している企業」を選ぶことを重視しているのです。ですから、本当は時価総額5000億円でなくてもかまいません。

僕が考える「安定」の定義には、次の条件が当てはまります。

・数十年の歴史があること
・収益の柱がいくつもあること
・大株主がワンマンではないこと(オーナー持ち株比率の高いワンマン経営ではない)
・経営方針などの議論ができ、考え方が右にも左にも大きく振られない

このような企業だと、株価の動きが安定しやすいのです。

■過去のチャートからも「安定銘柄」はわかる

株価の動きが安定しているかどうかは、過去のチャートを見れば判断できます。過去数年間のチャートが、ゆるやかな変動をしていれば安定と言えます。昨日下がって、今日上がるような、一見、ぴょんぴょん跳ねているようなチャートではなく、ゆるやかに推移しているチャートです。

5000億円以上で「安定銘柄」の代表は、JR東日本(東日本旅客鉄道9020)、NTT(日本電信電話9432)、トヨタ自動車(7203)などです。まず10年先にもつぶれる心配のない、安定している企業だと誰もが納得できるでしょう。

5000億円以下だと、東洋製罐グループホールディングス(5901)、日本水産(1332)のような企業です。東洋製罐は缶だけでなく容器全般の製造と販売を行っている創業100年以上の老舗です。日本水産は水産大手で創業1943年、80年近い老舗です。

時価総額は、東洋製罐が4000億円未満、日本水産が2000億円未満(2022年2月)ですが、両社とも新市場の「プライム銘柄」の上場維持基準に適合しています。

株価も安定しています。

■時価総額が大きくても安定していない企業

反対に、時価総額は大きくても「安定していない企業」といえば、製薬会社が当てはまります。

例えば、エーザイ(4523)。時価総額は1兆円以上ですが、過去10年間のチャートを見ると山あり、谷ありで株価が飛び跳ねているといった感じです。エーザイのような製薬会社の場合、新薬の開発で株価が跳ね上がることもあれば、新薬の治験中断というニュースで急落することもあります。

僕は、ニュースで話題になった銘柄はできるだけ避けるようにしています。これについては、次の項目で詳しく説明していきます。

ニュースで話題になった銘柄は避ける

■トレードは自分の考えで行う

日本経済新聞社の有料サービスで毎朝、メールでいち早くニュースを配信するサービスがあります。僕はそれを利用していますが、ここで記事になった銘柄はトレードしません。

だいぶ前の話になりますが、アスクル(2678)という銘柄が好きでよくトレードしていたのですが、2017年2月に物流センターが火事になり、ニュースで大きく取り上げられました。それ以来、運用対象外になっています。

ソフトバンクグループ(9984)も、ZOZO(3092)も、チャートを見てよほど大きなチャンスだと判断できるとき以外は、同様の理由でトレードはしません。

ときどき、YouTubeなどで著名なトレーダーが「この銘柄がいい」と言うのを聞いて、買ったら翌日から下がって含み損を抱えているという話を聞きます。

YouTubeにしろ、SNSにしろ、誰かが推薦したからという理由だけで売買するのはやめましょう。

人の考えでなく、トレードは自分で考えてすべきです。

もし、人の意見を聞いて売買して、失敗したとわかったら、その時点で損切りをしてください。根拠のないトレードをして、「入り口」が間違っているのですから、そこから戦って、なんとかプラスにしようなどと思わないことです。

そして、二度と人の意見でトレードしないよう反省してください。

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