はじめに

全資金を投資に回すよりも現金化して残しておく

■現金で保有しておくのはもったいない!?

運用資金ですが、すべてを投資に注ぎ込んでしまうのではなく、半分は購入資金として残しておきましょう。

少し話はそれるかもしれませんが、資産は現金で持っているのはもったいない。それよりも不動産、債券、株式などにして運用したほうがいい、という話を聞いたことがあると思います。

この話の前提条件は、「勝てる投資」ができることです。

しかし、誰もが投資に勝てるわけではありませんよね。

普通の人が勝ち続けるとは考えづらく、どこかで負ける投資をしてしまうものです。

負けたら資金は減ります。それは「もったいない」と思いませんか?

でも、現金で持っている限りは、減りません。ですから、資産をすべて投資につぎ込むより、実は現金で持っているほうが強いのです。

そして、ここぞというチャンスのときだけ、運用すればいいのです。投資の資金も同様で、チャンスが来たときに投入できるよう、常に現金を残しておきましょう。

想定外の動きをしやすい「決算」は持ち越さない

■翌日、決算日という銘柄は避ける

決算発表(四半期も含む)があると内容が良くても悪くても、出来高が急に増えて株価が大きく上下することは珍しくありません。

増収増益でストップ高もあれば、想定内といった理由で下落することもあります。減収減益でも「悪材料出尽くし」といった理由で、上昇することすらあるのです。

上昇も下落も、通常の動きなら、だいたい予測通りに動くので対処できます。しかし、決算日の上下は想定外の動きです。ですから、決算日前には手じまいしますし、翌日、決算日という銘柄は取引しません。

例えば、山崎製パン(2212)。決算日には株価が上下に跳ねることが多く、もし決算日に持ち越してしまったら、大きな損失を出す恐れがあります。ですから、このような銘柄もトレード対象外です。

決算日に想定外の動きをする銘柄かどうかは、過去のチャートを見ればわかります。

■1日で約20%の下落という場面も

このチャートは、日本ペイントホールディングス(4612)です。2015年8月10日に決算発表でした。10日の株価ですが、始値767円、高値785円、安値758円、終値773円です。

それが翌日は始値657円、高値657円、安値633円、終値614円。159円の下げで約20%も落ちています。決算発表をまたぐというのは、このようなリスクに遭遇する可能性があることを意味しているのです。

■年末年始、連休、選挙も持ち越さない

決算もそうですが、年末年始、ゴールデンウィークなどの連休も持ち越さないほうがいいでしょう。

休みの間に何が起こるかわからないからです。ダウ平均が暴落するかもしれないし、とんでもない災害や事件が起きるかもしれません。

僕の知人のなかには、週末すら持ち越さないという人もいます。

最初に選挙が原因で株価が上下することがあると言いました。ですから、選挙の前も手じまいしておくことをおすすめします。日本国内の衆議院選、参議院選もそうですが、アメリカ大統領選の結果によってもダウ平均は大きく動き、その影響で日経平均も予想外に動くことがあります。

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