はじめに

デサント(8114)

2月6日(月)に23年3月期の第3四半期決算を発表。①売上高86,099(百万円)、②前年同期比12.3%増、③営業利益7,300(百万円)、④前年同期比56.7%増。通期の営業利益予想は8,100(百万円)ですので、進捗率は90.1%。会社四季報の予想は9,800(百万円)ですので、それくらいは上振れて着地しそうです。期末配当を28円から40円と大幅増額したのも好感が持てます。

画像:デサント「2023年3月期第3四半期決算短信」より引用

デサントは、かつては値引き販売が当たり前のブランドでしたが、近年は返品率・値引率とも低水準を維持し、利益率の向上に努めています。「アスレチック」と「レジャー」を掛け合わせた「アスレジャー」需要が中国で急成長していることも追い風。そして、なんといっても大谷選手とのスポンサー契約が、ブランドイメージを一気にアップさせました。

ヨネックス(7906)

2月8日(水)に23年3月期の第3四半期決算を発表。①売上高79,632(百万円)、②前年同期比47.5%増、③営業利益9,317(百万円)、④前年同期比55.9%増。同時に営業利益の通期予想を9,200(百万円)から10,000(百万円)と8.7%上方修正しています。

画像:ヨネックス「2023年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用

ヨネックスの売上比率は、バドミントンが60%と圧倒的ですが、近年はテニスにも力を入れており、海外での売上比率を伸ばしています。個人的には、2022年に取締役に就任したばかりのアリサ・ヨネヤマ氏に注目。1987年生まれの34歳、1958年設立の老舗ブランドの若きリーダーに多いに期待しています。

ミズノ(8022)

2月8日に23年3月期の第3四半期決算を発表。①売上高147,402(百万円)、②前年同期比18.1%増、③営業利益10,154(百万円)、④前年同期比25.9%増。同時に営業利益の通期予想を11,500(百万円)から12,500(百万円)と8.7%上方修正しています。

画像:ミズノ「2023年3月期 第3四半期決算短信」より引用

アメリカ、韓国でのゴルフ用品、国内ではサッカーを中心に競技スポーツ品が好調。ミズノの場合は、サッカー、野球、ゴルフ、バレーボール、バスケットボールとスポーツ領域を幅広くカバーしているのが強みです。

すべての企業が2桁の増収増益!

5社の決算を並べてみて、あらためて感動したのは、5社とも今回の決算で前年同期比二桁の増収増益となっていることです。さらに5社のうち、デサントをのぞく4社が過去最高益を更新予定。金利上昇、インフレ、景気後退、すべてを吹き飛ばすスポーツパワーに脅威すら感じます。

スポーツブランドが好調の理由は、下記などが考えられます。

(1)コロナを経て、より健康への関心が高まっていること
(2)人気のアーティストやスポーツ選手とのコラボレーションで認知度が向上したこと
(3)eコマースの普及で、販売チャネルが増えたこと

それに加えて、各ブランドが、それぞれにファンの心をがっちり捉えているため、値上げしても離れていかない。5社ともむしろ、利益率が向上していますので、それだけ付加価値の高い、代替の効かない商品を提供しているのでしょう。

見通しの立てにくい2023年度の株式市場ですが、少なくともスポーツ界隈には光が差しております。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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