はじめに
最初の一歩は毎月どの程度の貯蓄が必要なのかを割り出すこと
岩城:まず、老後にどの程度の生活レベルを送りたいのか、それにはどのくらいの貯蓄が必要なのかを割り出します。そこから逆算すれば、「現役の時に毎月、どれくらい貯めておく必要があるのか」が計算できるんです。この式を見てください。
岩城:これは「必要貯蓄率」、つまり老後の生活に向けて年間にどれくらいの金額を貯めればいいのかがわかる公式です。「人生設計の基本公式」と呼んでいますが、これで出た「必要貯蓄率」を現在の手取り年収に掛け、それを12カ月で割れば毎月いくら貯蓄をすればいいのかがわかりますよ。
有野:うわ~、先生あとLとRがあったら、スーパーファミコンのコントローラになりますよ。それにしても難しすぎる! 老後年数なんかは病院行っても分かりませんよ。こんなん公式解けませんよ、先生。
三輪:これは私もちょっと……。
岩城:安心してください。確かに理屈を言ってると難しいし、手で計算しようとすると複雑ですが、私のサイトで数字を入れれば自動で計算してくれるツールを公開しています。
有野:よかったぁ、全部自分で計算しようと思ったら30年かかるところでした。
三輪:時間かけすぎですよ! 多分、その頃にはもう「老後生活」に突入してると思いますよ、有野さん!
有野:三輪ちゃん、それでは老後に間に合いません。ダメですよ!
三輪:えぇ、私が悪いんですか!?
岩城:そのツールでは、平均手取り年収や現在の資産額、老後の年数など6項目を入力することで、老後に必要な貯蓄額が割り出せます。そこから、毎月必要な貯蓄額が求められるわけですね。必要な貯蓄額は、当然ですが、その人のライフプランによってさまざまです。
有野:そうか、人によって出費が違うもんな。鉄道オタクって言うても、「撮り鉄」はカメラ買って、全国各地回って好きな電車の車両撮るからお金かかるけど、「収時刻表鉄」やと時刻表見て、どこそこに行くにはこの電車でこう乗り換えたら待ち時間も少なくって……って、想像して旅行するからお金がかからへん。他にも鉄道のラストランのに乗ったりする「廃止鉄」もあるしなー。使うお金が全然ちゃうもんな。あと、忘れちゃいけないのが「駅弁鉄」。これはね……。
三輪:鉄道オタクのいろいろはもういいです!
有野:あと、「桃鉄」の話もあるけど?
三輪:あ、それは気になるので、後で教えてください。先生、貯蓄で言うと、会社員のように企業年金をもらえるなら、老後に必要な貯蓄額も少なくて済みますよね。
岩城:おっしゃり通りです。個人事業主や専業主婦・主夫の方だと、厚生年金が少なく基礎年金が中心という人も多いので、よりたくさん貯蓄をしておく必要があるわけです。この場合の「貯蓄」というのは、運用している資産も含む金額ですね。
有野:僕はリタイアしたら、1日10時間くらいゲームできればそれでいいです。
三輪:そんなにゲームばっかりやって飽きないんですか?
有野:飽きひん! 新作は毎月たくさん出るし、ゲーム機だって買いそろえないとあかんし、結構お金かかるねん! それに、さっき言うた将来の自分への仕送りゲームが2箱あるし時間は足らへん。
三輪:ゲームのことになると熱いですね(笑)