はじめに
最優先は「支出の削減」
収入を増やすのはなかなか大変です。会社で成果を上げる必要がありますし、仮に成果が上がったとしても、給与考査は年1~2回程度の会社が多いでしょう。それに、収入が増えると税金や社会保険料も増えるため、仮に給与が1万円増えても、手取りは1万円も増えません。
そこで先に取り組みたいのが、支出の削減です。支出の削減は自分の工夫次第でできますし、1万円削減すれば使えるお金が1万円増えるからです。
節約は毎月決まって一定額発生する固定費から行いましょう。固定費には、住居費、通信費、水道・光熱費、保険料、自動車費、その他年会費や月会費などがあります。固定費は、金額が大きなものが多く、1度見直すと効果が長続きします。
先に紹介した統計データからは、家賃と通信費に大きな削減の余地があると考えます。
●家賃
家計に占める家賃(住居費)の割合は、手取り金額の20~25%、首都圏在住でも最大30%に抑えるのが理想です。統計データでは、37%にのぼっていますので、削減が急務です。
たとえば、1つの住居に複数人で住んで生活するシェアハウスを利用するのも一案です。シェアハウスの家賃のおおよその相場は、同エリアの賃貸住宅よりも1万円~2万円程度安くなっています。
もちろん、物件により金額はさまざまですが、東京都内でも、
・大田区:賃貸8万円前後 、シェアハウス5万円前後
・練馬区:賃貸7万円前後 、シェアハウス5万円前後
と、シェアハウスのほうが安くなっていることがわかります。
●通信費
スマホ代は節約の王道です。大手キャリアのサービスを利用していると、毎月1万円近くの費用がかかることもあります。スマホの格安プランを利用すれば、
・楽天モバイル 月1,078円~
・UQモバイル 月1,628円~
・ワイモバイル 月2,178円~
などと、より安くスマホを利用できます。そのため、年数万円の節約につながる方も少なくありません。余ったデータ容量も翌月に繰り越せます。
統計データの支出から、仮に家賃を月5万円、交通・通信費を月1万円に抑えることができれば、支出の合計は次のようになります。
●新社会人の支出(削減後)
支出の合計は約19.9万円から約16.4万円に。3.5万円ほど減らすことができました。これで家計は、約2万円の黒字です。
さらに、ほかの費用でも節約を目指しましょう。たとえば電気とガスを同じ会社から購入する「電気・ガスセット割」を活用すると年数千円の費用削減ができる場合があります。シャワーを節水シャワーにしたり、節水コマを取り付けたりすると年5,000円から1万円程度の削減につながります。冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にして、冬場のエアコンの温度を20度にするだけでも、あわせて年3,000円程度削減できます。また、そもそも「家具・家事用品」「被服及び履き物」は毎月購入する必要はないでしょう。
一方で「教養娯楽」は一見減らしたほうが良さそうな支出に見えます。しかし、教養娯楽の費用を削りすぎると、今の生活を楽しめなくなってしまいます。もちろん、行き過ぎた支出はNGですが、そうでなければ、削る必要はないと考えます。