はじめに

パートナーシップ制度を利用したり、あえて事実婚を選択するような、多様な生き方が広まりつつあります。パートナーシップ制度や事実婚はもちろんメリットもありますが、気をつけたいのは、終活や相続の時。事実婚とどこが違うのでしょうか? 行政書士が解説します。


事実婚と法律婚の違い

事実婚とは、婚姻の意思があり共同生活を送っているが、婚姻届を提出していない状態の夫婦のことです。一方で、法律婚とは、婚姻届を提出し、法律上の婚姻関係が認められた戸籍上の夫婦のことです。つまり、事実婚と法律婚の違いは「婚姻届を提出したか」ということになります。

多様な生き方が広まり、婚姻届を提出しない事実婚の方が増加傾向にあるとも言われています。このことから、近年では戸籍上で他の配偶者の有無や同居期間等を証明し、審査を経ることで保険金の受取人に指定することができるようになる保険会社なども増えてきています。

事実婚のメリット・デメリット

現在、日本の法律では夫婦で別々の姓を名乗ることは認められていません。つまり、法律婚の場合には、夫または妻のどちらか一方は自分の姓を変えなければいけないということです。そのため、姓を変えた人は、本人確認資料(免許証、マイナンバー等)や銀行口座などで名義変更をしなければなりません。仕事の事情で姓を変えることに抵抗がある方もいらっしゃいます。

そして、婚姻関係を解消する場合、法律婚では戸籍にその事実が残ります。一方、事実婚では戸籍への影響や各種手続きも必要ありません。

このように、夫婦関係に生じるさまざまな点から、姓を変える必要のない事実婚を選択する方も増えてきているようですが、注意も必要になります。

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