はじめに

パートナーシップ制度にも相続権はない

この制度を利用することで、事実婚を証明するケースと同様に病院での付き添い、生命保険の受取人となることなどが可能になるケースも増えてきています。最近では、携帯電話の家族割などが利用できるケースもあるようです。

しかし、パートナーシップ制度は、事実婚と同様に法的な効力を有するものではないことに注意が必要です。つまり、パートナーシップ制度を利用したとしても、相続権はないということです。この場合でも遺言書を作成することでパートナーに財産を残すことができます。

しかし、亡くなったパートナーの相続人や家族と争いになる可能性や、パートナーの家族にカミングアウトしなければならない可能性などもあるため、事実婚のとき以上に慎重に検討をする必要があるでしょう。

まず話し合うべきことは「お金をどうするか」

事実婚やパートナーシップ制度の利用を検討されている方々に大切なことは、しっかりと話し合いをしておくことです。もちろん法律婚の方々にも必要なことですが、前記のとおり事実婚やパートナーシップ制度には法的な効力がない点などを考えると、より重要なことだと分かっていただけるかと思います。

では、どのようなことを話し合っておく必要があるのでしょうか。

まずは、お金の管理に関することが重要になります。特に気を付けなければいけないのは、配偶者やパートナーのどちらか一方の名前で銀行口座を作り、金銭を管理している場合です。このような場合で相続が発生するとどうなるでしょう。

金融機関としては、遺言書がない場合には、亡くなった方の相続人でなければ解約等ができないこととなっています。つまり、法律上の婚姻関係にない方では、解約の手続きができないということです。このような事態にならないためにも、お互いのルールを決めておくことが必要となってきますので、やはり遺言書を作成する必要があるかもしれません。

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