はじめに

確定申告で医療費控除の適用を受けて、すでに還付金も受け取っている場合に、そのあとで、場合によっては数年たってから、申告漏れの医療費の領収書がごっそり見つかることもあります。

「確定申告後に領収書がでてきてしまった」場合に、確定申告のやり直しが可能か、そしてその際の留意点についてお伝えしましょう。


確定申告の内容が間違っていた場合にできる手続きは2つあります。
ひとつは納税額が少なかったため、追加で納税するケース。
もう一つは、たくさん納めすぎていたあるいは還付額が少なすぎたため、税金を返してもらうケースです。
追加納税するための申告を「修正申告」、還付請求することを「更正の請求」といいます。

確定申告で医療費控除の適用を受けた後で医療費の領収書が出てきたときは、更正の請求で還付を受けることができます。この時に留意しなければならないのは、期限と申告の際の添付書類です。

給与所得者の申告期限は?

ここでは、給与所得者の還付申告書や更正の請求書の提出期限について整理しましょう。

1.年末調整が済んでおり、確定申告していなかった場合
勤め先で年末調整が済んでおり、確定申告していない場合で、医療費控除や寄付金控除を受けたいときや、年末調整で保険料控除や扶養親族の申告漏れがあったときは、その年の翌年1月1日から5年後の12月31日までなら還付のための確定申告をすることができます。

例えば、令和4年分については、令和5年1月から令和9年12月31日までに、還付のための確定申告をすればよいこととなります。

2.年末調整のあと、還付のための確定申告をしていた場合
年末調整が済んでいる給与所得者で、申告義務がない人が確定申告で還付申告をしていた場合、確定申告書を提出した日から5年以内であれば、更正の請求をすることができます。

例えば、令和4年分の還付申告書を令和5年4月20日に提出していたとします。この場合の更正の請求期限はその還付申告書を提出した日から5年以内ですので、令和10年4月20日までということになります。

3.もともと申告義務がある給与所得者の場合
年末調整が済んでいる給与所得者でも、副業などの所得があって、もともと申告義務がある人が納付のための確定申告をした後で、医療費控除等を受けるために還付のために更正の請求をする場合は、法定申告期限(翌年3月15日)から5年以内となります。

例えば、令和4年分の確定申告を、申告期限に遅れて令和5年4月20日に提出していたとします。この場合の更正の請求期限は令和10年3月15日となります。

還付申告書や更正の請求書の提出期限は、一般的に5年といわれていますが、このように細かく期限が決まっています。所得税の申告は住民税の還付にもつながりますので、やはり、期限ギリギリに慌てることの無いように早めに行動したいものです。

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