はじめに

第1四半期決算は?

伊藤ハムは、第1四半期決算を発表した2022年8月3日(水)に、上期予想の上方修正を行なっています。①当初の営業利益予想11,500(百万円)から②13,500(百万円)へ、増益率は③17.4%となかなかの好調ぶりです。上方修正の理由は、食肉事業における海外事業が当初予想を上回って推移したため。また通期予想は、原材料価格やエネルギー価格の高騰などが懸念されるため据え置きされています。

画像:伊藤ハム米久HD「2023年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用

一方のプリマハムは、第一四半期決算のタイミングでの修正はありませんでした。ただ、営業利益の着地は34億円で、上期予想の85億円に対する進捗率は40%と若干不安はよぎります。

第2四半期決算は?

第1四半期で上期のみ営業利益を上方修正した伊藤ハムは、第2四半期では売上高のみ若干上方修正しました。利益に関しては、原材料価格や光熱費の高騰に加え、円安の進行による影響が懸念されるため通期予想を据え置きしています。第1四半期決算では出てこなかった“円安の進行”が、新たな利益圧迫要因として挙がっており、次から次へと敵が現れるアクション映画のようになっています。

ただし、営業利益の着地は151億円で、通期予想210億円に対する進捗率は71.9%と順調のように見えます。ハムなのでお歳暮需要の季節要因などがあるとしても、下期の予想をかなり控えめに見ているようです。

一方のプリマハムは、第2四半期を発表した2022年10月31日(月)に通期予想を下方修正しました。①当初の営業利益予想16,100(百万円)から②11,000(百万円)へ、減益率は③ -31.7%となかなかパンチが効いています。第1四半期決算発表で感じた不安は適中してしまいました。

画像:プリマハム「業績予想の修正に関するお知らせ」より引用

下方修正の理由は、「原材料及びエネルギーコストの上昇、急激な円安進行の影響」とあり、これは伊藤ハムとまったく同様のことが書かれています。両者とも同じ敵と戦いつつも、想定よりも大きなダメージを受けているプリマハムと、なんとか耐えている伊藤ハム−−ここまでの決算発表ではそんな印象を受けます。

第3四半期決算は?

1年の4分の3を通過する第3四半期決算では、ほぼほぼ勝負は決まってきます。

2023年2月3日(金)に発表された伊藤ハムの営業利益は239億円で、当初の予想であった210億円を超過。さすがに通期予想を上方修正しました。①当初の営業利益予想21,000(百万円)から②22,000(百万円)へ、増益率は③4.8%と控えめ。すでに239億円の営業利益を稼いでいますので、最後の3ヵ月で減益する見込みとなります。どこまでも弱気な姿勢を貫いています。

画像:伊藤ハム米久HD「2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より引用

少し遅れて2月6日(月)に発表されたプリマハムは、営業利益87億円、110億円の通期予想に修正はありません。進捗率は79%ですので、達成できそうな気もします。

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