はじめに
まだ割安感がある食品株は?
今後の食品株の業績改善を見越して、食品銘柄の株価はかなり上昇しています。そんな中でもまだ割安感がある銘柄を2社紹介します。
まず1社目は、雪印メグミルク(2270)。代表製品としては、雪印メグミルク、雪印バター、6Pチーズなど、どこのスーパーでも必ず置いてある商品です。2023年3月期の本決算は5月15日(水)発表予定ですが、4月25日(火)に通期予想の上方修正をしております。
画像:雪印メグミルク「2023年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」より引用
①売上高580,000(百万円)から、②584,000(百万円)へ、③0.7%の上方修正。④営業利益は11,000(百万円)から⑤13,000(百万円)へ、⑥18.2%の上方修正。売上高より営業利益の修正率が高いため、営業利益率が1.8%から2.2%へ改善されています。
株価は上方修正発表後、上昇していますが、週足で見れば長い下降トレンドから反転したばかりに見えます。新年度予想を会社がどう出してくるかの確認をしたいところですが、この流れからいくと、減益予想とはならない可能性が高く期待が持てます。
画像:TradingViewより
もう1社はニップン(2001)、製粉業界では最古参。設立されたのは1896年の老舗食品メーカーです。業界向けの製粉がメインですが、最近では豆腐を主原料とする大豆ミートの冷凍パスタなど健康志向に振った食品も展開しています。
2月3日(金)に2023年3月期の第3四半期決算は、①営業利益9,564(百万円)で②前年比10.1%の増益着地。③通期予想10,100(百万円)に対する進捗率は94.6%ですから、本決算発表前に上方修正の可能性も十分期待できます。
画像:ニップン「2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用
こちらも株価は上昇傾向にありますが、週足で見ればまだまだ低位置にあります。
画像:TradingViewより
2社とも東証プライムに上場していますが、PBRが1倍割れている点も株価を押し上げる要因になります。すでに株界隈の人たちの間では、認知されている話題ですが、東証がPBR1倍割れの企業に対して、企業価値を上げるためのなんらかの施作を提示するよう強く求めています。そのため、該当企業が、相次いで自社株買いや増配など、株主還元を積極的に行っています。
また、中期経営計画を作成し、計画的に企業価値を向上させる取り組みなどを発表し、それらが株価上昇のトリガーになりつつあります。そういった点でも、今後が楽しみな食品割安株です。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。