はじめに

眠っている間に稼ぐ資産を持つことが重要

収入を増やすために「もっと頑張って働く」「副業する」といっても、1日の就労時間には限界があります。自分が寝ている間にも稼いでくれる資産を持つことが大切です。

自分が寝ている間にも稼いでくれる資産を築く方法として、インフレヘッジができ、堅実にお金を増やせる可能性、再現性がある方法は「長期」「積立」「分散」投資です。

長期投資は、数十年という長い期間で投資することです。投資期間が短いと、どうしても短期的な値動きに投資の成果が左右されてしまいます。その点、長期投資ならば値下がりのリスクを抑えることができます。そのうえ、利息が次の利息を生み出す複利効果によって、お金を加速度的に増やす期待もできます。

積立投資は、一定額ずつコツコツと投資することです。投資は安いときに買って高くなったら売るのが基本ですが、安いタイミングをとらえるのは大変です。定期的に淡々と積立投資を続けていれば、価格が高いときには少なく、安いときには多く買う「ドルコスト平均法」が生かされ、続ければ続けるほど平均購入単価を下げられます。そして、少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。

分散投資は、投資先や購入タイミングをわけることです。もしも1つの会社の株だけを持っていた場合、確かに株価が上昇したときは儲かるのですが、下落した場合は大きく損してしまいます。複数の投資先にお金を分散させれば、そのうちのどれかが値下がりしても損失が抑えられます。また、ほかの資産の値上がりで損失をカバーできる可能性もあります。投資信託は1本で数十から数百の投資先に投資しているため、1本買うだけでも分散投資ができます。

投資をする際は「低コスト」かどうかも大切です。コストがいくらかかるかに着目しましょう。投資で将来お金が増えるかは誰にもわかりませんが、コストは投資の前にみて選ぶことができるからです。

たとえば投資信託には、購入時に購入時手数料、保有中に信託報酬、売却時に信託財産留保額という手数料がかかります。このうち、もっとも重要なのは保有中にかかる信託報酬。信託報酬は、投資信託を長く持てば持つほどかかるため、ほんの少しの差でも数万~数十万円の違いになる可能性があります。なるべく低コストの商品を選ぶようにしましょう。

参考記事:投資信託の信託報酬はどれくらいが安いといえる?コストが低いものを選ぶ方法をお金のプロが解説

そして、iDeCoやNISAといった非課税で投資できる制度を利用することも大切です。

iDeCoは自分で出した掛金を運用して増やし、原則60歳以降に受け取る制度。運用益が非課税になるうえ、毎年の掛金が所得税・住民税から控除されるので、税金を減らしながら自分の老後資金を用意できます。またNISAは、投資で得られた利益が非課税にできる制度。2024年に制度が改正され、生涯にわたって運用益非課税の投資ができるようになるなど、ますます便利になります。

「老後資金2000万円」の根拠となる数字は、家計調査の最新データによって変わり、増減します。また、老後に必要な金額は人それぞれのはずです。したがって、「2000万円」という金額にこだわる必要はありません。しかし、お金があれば将来できることの選択肢が増えるのは事実です。長期・積立・分散・低コスト・非課税の効果を生かして、お金を増やしていきましょう。

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