はじめに

「リターンランキング」の過信はNG

有野:じゃあ投信のタイプさえ決まってたら、サイトの「リターンランキング」でトップの投信を買えばいいんとちゃいます?

山中:それも1つの手ですね。ただ、先ほど見たのは運用期間が「1年」のランキング。これを「5年」に変えてみると……。

有野:あ、銘柄が変わった! 先生、これはどういうことですか?

山中:投信にはいろいろなタイプがあるとお伝えしましたが、利回りのランキングは投資する国やテーマ、運用期間によって大きく変わってきます。たとえば、米国の新興市場(ナスダック)が調子よく上がっている時にランキングを見れば、ナスダックの銘柄を中心に投資するファンドのリターンが高くなるのは当然ですよね。

有野:言われてみれば、確かにそうですね。

山中:「リターンランキング」は、あくまで「現在までのリターン」というだけであって、「これからも同じように上がる」ということにはなりません。ただ、同じような種類の投信を比較した時に、リターンランキングの上位に入っているファンドであれば、運用の仕方が上手だったり、ファンドマネジャーさんが優秀だったりする可能性はありますね。

有野:なるほどなぁ、リターンランキングはあくまで参考にする要素の1つってわけやね。どうしても、このランキングが高い銘柄に目が行ってしまいます。でも、実際に買って損したら、ガッカリ感が倍増するかもしれへん。ゲームのランキングで、人気が高いからワクワクしながらプレーしてみたら、全然自分には合わなかった、みたいな感じかな。

山中:株式相場の動向などによって、投信の価格も上下しますから、ちょっと損したからといって、ガッカリする必要はありません。投信は半年や1年ではなく、基本的にはもっと長期の視点で買うべき金融商品ですからね。

有野:頭ではそうとわかってても、やっぱり下がったらガッカリしちゃいます。人間だもの……違う、儲けたいんだもの(笑)

山中:もちろん、下がっているよりは上がっているほうが嬉しいのは間違いありませんね(笑)

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