はじめに

長期投資に適した「金融庁セレクト」の投信に注目

山中:もう1つ、投資信託を選ぶ時に参考にしたいリストがあるんですよ。

有野:そんなのがあるんですか! 「山中伸枝秘蔵、門外不出の投信リスト」みたいな?

山中:そんなものはありません(笑) おすすめの投信があるなら、みなさんに買っていただきたいので隠す必要はないんですよ。みんなで買って、みんなでハッピーになればいいんです。

有野:独り占めしたくなっちゃう(笑) じゃあ、それなら参考にしたいリストって、どんなものなんですか?

山中:それは、金融庁がセレクトした約200本の投信リストです。

有野:おぉ、そんなのがあるんですね! 1万4,000本からめっちゃ絞り込めた! 金融庁、頑張ってるなぁ。国が勧めてる投信、ってことですよね?

山中:金融庁が直接、「これを買ってください」と言っているわけではありませんが、約6,000本の投信の中から、資産運用の三大原則「長期・分散・積立」に適しているとして、金融庁が選び出したものです。「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」の投資対象になっている、232本(※2023年6月19日現在)の投信がそれですね。

有野:結局、200本の中から選ばんといけないじゃないですか。この中で、さらにどの投信がいいとかありませんか?

山中:ほとんどインデックス型の投信で、以前お話した「国内型」や「海外型」、対象とする株価指数によって分かれているリストもあるので、自分の希望に沿った投信が選びやすくなっています。

有野:確かに、リストで分かれてくれてる方が選びやすいですね。

山中:この“金融庁セレクト”の投信は、すべて販売手数料がゼロなうえ、毎年かかるコストの信託報酬も国内資産を対象とする投信は1%以下、海外資産対象なら1.5%以下と、コストが安いのもポイント。また、リスクの高い対象には投資をしていないなど、安心して長期で保有できる投信がそろっています。

有野:資産形成に向いている、金融庁お墨付きのラインアップってわけか。でも、国が認めてない、知る人ぞ知るみたいなのも見つけたいなー。

山中:その場合は、先ほどの投信検索サイトなどを活用して、お好みの一本を見つけてみてください! ……でも、有野さんはその前に、iDeCoで実際に買われた投信が何なのかのチェックを忘れないでくださいね?

有野:も、もちろんです、帰ったら漫画読むのは我慢して、すぐにチェックします! でも、この授業のおかげで投信が何なのかわかったし、自分の買った投信の種類くらいは把握せなダメやな、って気付けました。辛抱する木に金がなる、の精神でやっていきます。先生、ありがとうございました!

7月からは、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝( @mieido )先生をお迎えし、「終活」について学んでいきます。次回は7月4日配信予定。

有野晋哉
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。テレビやラジオ、CM、雑誌の連載などマルチに活躍。コンビで公式YouTube「よゐこチャンネル」も開設しており、幅広い世代から支持を得ている。自身が50歳を迎えた2022年に、お金にまつわる知識の大切さに目覚め、日々勉強中。

山中伸枝
心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナー(CFP)、株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役、FP相談ねっと 代表、一般社団法人公的保険アドバイザー協会 理事。 1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後メーカーに勤務。これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナー(FP)として2002年に独立。年金と資産運用、特に確定拠出年金やNISAの講演、ライフプラン相談を多数手掛ける。 執筆:金融庁サイト 有識者コラム連載、50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話(東洋経済新報社)、ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本(翔泳社)他

ライター:新井奈央

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