はじめに

退職後の60歳から年間の家計収支が赤字に

44歳、職業は保育士で年間の手取り収入が約300万円。小学5年生の11歳の女の子と2人暮らしのため、食費などの生活費はさほどかかりません。現在600万円の貯蓄と60歳で退職するまでの16年間は年平均約100万円の貯蓄が可能です。現役時代は、合計約2,400万円の貯蓄が可能ということになります。

しかし、60歳で退職した後は、家計の年間収支が100歳まで毎年赤字になります。100歳時点でのトータル収支は250万円。これだと病気や不測の事態があった時、お金が不足して困る可能性があります。

では、具体的な解決策について考えていきましょう。

60歳以降も安心して暮らせる資金をつくる

まず検討したいのが、退職のタイミングです。
60歳が退職ということですが、保育士という資格を活かして、退職後も働けないかどうかを検討しましょう。仮に、61歳から65歳までパートで1カ月10万円の収入があった場合、年間収支は赤字になるものの、働かない時よりも年間約50万円の赤字を縮めることができます。

また、資産構成は預貯金のみで、資産運用をしていません。生活防衛費として1カ月の支出×1年分の約200万円は預貯金として置いておき、それ以外の資金で資産運用を始めるのはいかがでしょうか。

相談者は、年間の手取り収入約300万円、年間の支出約200万円となり、現役時代は年間約100万円の貯蓄が可能となります。かつ現在預貯金が600万円あるので、家計の資産が投資に極端に偏ることなく65歳まで資産運用していくことが可能です。

仮につみたて投資月5万円とiDeCo月2万円(ともに年3%の運用)を65歳まで続けたとしましょう。運用すると21年間で約2,450万円まで資産が増えますが、この月7万円を運用せずに預貯金に回した場合は1,760万円と、運用した場合としなかった場合では、約690万円の差が出ます。さらに、iDeCoは掛け金に税制の優遇がありますので、節税効果もあります。

資産運用をするか、しないかで大きな差が生まれるのがわかりますね。

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