はじめに
FIREのスタイルから実家での生活をイメージしよう
6年後のアーリーリタイアを考える際、FIREという概念を知っておくと、どのような状態を目指すのかが明確になると思います。
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった概念で、経済的に自立し、会社などの就職状態を辞めて自由な選択ができるようになることを指します。
このFIREにも、色々な種類があると言われています。
◆ファットFIRE…金融資産の運用益や配当金だけでリッチな生活を送る。
◆フルFIRE…労働はせず、金融資産から生まれる利益を取り崩し一般的な生活を送る。
◆リーンFIRE…生活費をギリギリまで下げ、少ない運用益でもその中で暮らしていく。
◆サイドFIRE…副業のことを米国ではサイドハッスルとも呼ぶ。自分自身が楽しみながら、自主的に行う副業的な仕事を継続しながら、資産収入+副業的収入を組み合わせて生活する。
◆バリスタFIRE…サイドFIREと違いアルバイトなどで雇用収入を得ていきます。このアルバイトも無理のない範囲で自分の好きな仕事を行います。例えばコーヒーショップで日に3時間、週3日働くなどのイメージです。
◆コーストFIRE…現在の生活を維持するための支出と、将来の生活を担保するための貯蓄や投資を分けて考えます。コーストFIREは、将来のお金を先に貯めて、現在の生活のみの生活費を稼ぐことに集中したFIREです。新たに貯蓄や投資に回すお金を考えなくて良いので、少ない労働でも生活がしやすくなります。
どの状態を目指すかによって、必要な資産額は変わってきますが、ご相談者さまの場合は、サイドFIREやコーストFIREなどは十分に狙えると思います。
実際にどんなプランになる?
FIREを目指す際にベースになる考え方に、「4%ルール」と呼ばれるものがあります。米国の株式インデックスに50%、米国債などに50%の割合で投資し、運用益を4%ずつ取り崩していけば、30年経っても資産が枯渇する可能性は極めて低くなるというものです。
現在2,200万円の資産を運用に回し、仮に4%ルールを当てはめて考えると、2,200万円×4%の88万円を毎年取り崩して生活するイメージです。現在のペースで年間収支200万円資産が増えるとすると、6年で1,200万円資産が増えるので、3,400万円×4%=136万円となります。月額にすれば11.3万円となるので、あと1万円の収入があれば良いことになります。
ただし、資産の全額を運用に回すことは、非常にリスクが高くなってしまうので、生活防衛費として1年分から2年分の現金を持っておきたいところです。
仮に生活防衛費400万円、運用資産3,000万円とした場合は、3,000万円×4%=120万円。これに毎月約2.5万円の収入があれば、現在の年間生活費150万円と同じになります。