はじめに

「流行」には投資のヒントが眠っている!

藤川:でも、そこからもう一歩踏み込んで、コンビニやスーパーで発売した直後に「このアイスは大ヒットしそう」と目を付けて、そのアイスを作っている会社の株を買ってみるのは全然アリですよ。

有野:じゃあ、かき氷の氷を削る機械はどうですか? 他の機械よりフワッフワの氷が削れるやつなら、めっちゃ売れるやろうし。

藤川:いい視点だと思います。問題は、その手の機械メーカーが上場しているかどうかですが……。調べてみたところ、ホシザキという厨房機器メーカーが、全自動製氷機やアイススライサーを手掛けていますね。実際にホシザキの株価の動きを見てみると、夏にかけて上がっていますね。

有野:おぉ~、もしかして銘柄探しのセンスあるかも?

藤川:ただし、いまから猛暑を材料に買うのはちょっと遅いかも。「猛暑になってかき氷機が売れそう」ということを、他の投資家が気付く前、遅くても春先くらいには買っておきたいところです。

有野:ほんまや。株価めっちゃ上がってるやん。くっそ~、遅かったか(笑) 今年は凍らせて使うネッククーラーも流行ったけど、もう遅いか。

藤川:でも、目の付け所はまさにそういう感じですよ。ちなみに、この「かき氷機」のヒットを狙うとすると、冷夏になってしまった時は失敗する可能性が高そうです。

有野:そうか、確かに寒かったら売れへんもんなぁ。気候にも詳しくないとあかんわけや、流行りも見つつ、ちゃんと流行るかの暑さも見つつ、ライバルは居ないかも見つつ、多角的に見て買うのか。う〜ん、難しいですね。

藤川:何年か前、タピオカが流行ったじゃないですか? それで、タピオカを販売している「業務スーパー」の運営会社の株がめちゃくちゃ上がったんですよ。もちろん、流行し始めた時に買っていれば、資金が何倍にもなったんですけど、流行っている途中で買っても2倍くらいにはなっていました。タピオカブームが去って株価は下がりましたが、儲けのヒント、チャンスはそこかしこに眠っているんですよ。

有野:じゃあ、朝の情報番組を見まくる、ってのもアリですね。

藤川:それは本当にそう! 流行は本当に投資のチャンスになります。販売会社、チェーン店、素材を手掛けている会社など、いろいろな視点で見て、その流行で稼ぎそうな銘柄を探す。これが、株式投資の醍醐味の1つなんです。

有野:そうなんですか。でも、街を歩いてる時に、これよく見るから流行ってるのか、どこの会社だ? これを卸してるのはどこ? 他によく似たものはないか? って、株のことばっかり考えるのは疲れそうやなぁ。

藤川:初めのうちはそうかもしれません。でも、それを続けているうちに習慣化するので、そこまで疲れることはないと思いますよ。大切なのは、「流行やヒット商品で株価が上がるかもしれない」という視点を持つこと。その視点がない人とある人では、世の中の見える景色が全然違うんです。

有野:そうか~。その知識は欲しいなー。調べてたらその知識が貯まって、あ、何年か前に同じようなの流行ったよね、って物知りにも見られる! でも、今まで生きてきて、そういう物事の見方なんて考えもしませんでした。

藤川:ほかにも、業績や株価のデータなどの「数字」から銘柄を絞り込んだり、株価のチャートの形によって買う銘柄を決めたりするなど、銘柄の選び方はたくさんあります。ただ身の回りの情報から買う銘柄のヒントを探すやり方が、これから株を始める人にとっては、一番手掛けやすいと思います。

有野:確かに、いきなり勉強しなきゃいけないことがいっぱいだと、始める前に挫折しそうです。

藤川:それに、ヒントを見つけた時は、「もしかしたら、この情報で株価が上がるかも」などと考えて、ワクワクするんです。大事なお金に関わることとはいえ、楽しみながらじゃないとずっとは続けられませんからね。

有野:じゃあ、先生がニヤニヤしてる時は、そういう儲け話が思いついた時ってことか。街中でニヤけてる先生を見かけたら、今度から声をかけるようにするんで、何を思いついたか教えてくださいよ。

藤川:実際にヒントを見つけた時は、本当にニヤニヤしているかもしれませんね(笑) 有野さんも、思わずニヤけてしまうような、いい投資のヒントが見つかるといいですね!

有野:ヒントを見つけるために、まず一番身近なゲームをいっぱいやることにします(笑) 先生、ありがとうございました!

9月からは、税理士の小島孝子( @tkojimataxoffic )先生をお迎えし、「インボイス制度」について学んでいきます。次回は9月5日配信予定。

有野晋哉
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。テレビやラジオ、CM、雑誌の連載などマルチに活躍。コンビで公式YouTube「よゐこチャンネル」も開設しており、幅広い世代から支持を得ている。自身が50歳を迎えた2022年に、お金にまつわる知識の大切さに目覚め、日々勉強中。

藤川里絵
2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。負けない投資がモットー。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を、日本中の(とくに数字オンチの)人に広めるため、講演活動、パーソナルトレーニング、オンラインサロンと多岐に活動中。おもな著者に『月収15万円からの株入門 数字音痴のわたしが5年で資産を10倍にした方法』(扶桑社)、『株は5勝7敗で十分儲かる!』(ビジネス社)、『株の達人が教える世界一楽しい会社四季報の読み方』(SBクリエイティブ)

ライター:新井奈央

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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