はじめに
分散投資の効果を再確認
このように考えると、日本の株式市場に投資をしているだけの方にも短期的には影響が出そうなものですが、もっと本件の行方が気になるのは海外も含む国内外の株式に投資をしている方でしょう。しかし、中国の個別銘柄に投資をしているケースは例外として、インデックス投信などで世界株式に投資をしているなどの場合は、直接的な影響はそれほど受けないと考えてよいでしょう。
たとえば、個人投資家にも人気のある世界株式に投資するあるインデックス投信の投資先を見てみます。世界株式と銘打っているわけですから、世界中に分散投資をしていて、その結果として中国株にもそれなりに投資をしているように思うかもしれません。なぜなら、前述した通り、中国は世界で第二位の経済大国だからです。
しかし、国・地域別の投資比率をみてみると、米国が1か国で全体の60%を占めていて、2番目は日本の5%です。そこからイギリス、フランス、カナダ、スイス、ドイツと欧州諸国が続き、中国は上位10か国には入っていません。
しかも、このような海外株式へ広く投資する投資信託の場合、組み入れられている銘柄数は3000近くになることもあり、仮にこのなかに恒大集団や碧桂園が入っていたとしても、比率でみればほとんどゼロに近くなっています。
このように考えると、いかに投資先を分散することによって、リスクが低減されるかを実感することができますね。