はじめに

ポイント②マンション管理組合の実態

区分マンションの場合、通常はマンションの区分所有者で構成された「マンション管理組合」が存在します。管理組合は、マンション全体の維持管理や修繕を計画策定し、適切な管理をすることとされており、マンション管理適正化法や区分所有法といった法律でも、これらのルールが定められています。

しかし、これらの法律の歴史は浅く、例えば先に挙げたマンション管理適正化法は、2000年に誕生した比較的に新しい法律です。見方を変えれば、現存するマンションの中でも、完成当時は、マンション管理の重要性の意識が低かったり、維持管理に関する計画がずさんだったりするマンションが少なくないということを意味します。

時代の変遷により、築古マンションでも、今後の維持管理の計画を策定したり、マンション管理会社に依頼して、高い管理意識でメンテナンスがなされていたりするマンションも多々あります。

しかし、なかには管理組合の組合員同士で合意形成がうまく図れずに、”維持管理にほとんど手をつけられておらず、今後の計画も立てていない”ようなマンションも存在します。このようなマンションの場合、将来にわたって高額な補修費用の負担を強いられるリスクが極めて高いうえに、そういった不安要素を敬遠して、他の区分所有者が売却を急ぐため、マンションの売買相場自体も暴落していく場合もあります。

このような点からも、管理組合がきちんと機能しているか、さらに具体的にいえば「適切な維持管理・修繕計画を立てているか」は非常に重要です。

検討する際には、現オーナーや不動産会社などを通して、「長期修繕計画表」を入手するようにしましょう。通常、しっかり管理をしているマンションであれば、”この先、どのタイミングで、どのような修繕工事をしていくか”を計画しています。そして、その計画がどれほど緻密に計画されているか、その計画実行に向けて管理組合内の貯金(積立金)はうまく運用されているかを確認し、思わぬ高額出費を強いられるリスクが無いかを把握しておくことが重要です。

尚、「長期修繕計画表がないマンション」や、「計画はあるものの、明らかに収支計画が破綻しているマンション」は、よほどリスクを許容できる方や維持管理の専門知識がある方を除き、検討は見送るべきでしょう。


いかがでしたか。今回紹介したポイント2つは、築古マンション投資の中でも「収支が狂いやすい」重要なポイントです。言いかえれば、このリスクをしっかりと把握していけば、他の人はチャレンジできない物件にも、果敢にチャレンジできる可能性があるのです。

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