はじめに

アベノミクスによる株高や2014年1月に創設されたNISA(少額投資非課税制度)の普及など株式や投資信託を通じて資産形成をする人が増えています。また、2016年の1月からは、未成年者を対象にしたジュニアNISAも始まる予定で、幅広い世代で投資への興味は高まりそうです。

今回は、これから資産形成を考えている30代のために、サポート体制が充実していることで知られるSMBC日興証券にお話を聞いてみました!


30代から始める資産形成

30代といえば、住宅資金や教育資金など、なにかと出費がかさみます。くわえて、年金はちゃんともらえるのか、親の介護費用はどのぐらいかかるのかなど、不安も多いです。にもかかわらず、給与は右肩上がりとはなかなかいきません。そこで、まずはこんな質問から!

MONEY PLUS編集部: 30代から資産形成を始めることは大切なのでしょうか?

SMBC日興証券: 今では、男性も女性も平均寿命が80歳を超えてきており、「人生80年」どころか「90年」とも言われるようになっています。

結婚して家族を持ちマイホームを購入し、子供の教育、そして独立を見届け、定年を迎え老後生活を送る、という一般的なライフイベントにおいて、理想のライフイベントを実現し、また豊かな生活を送っていただくためには、資産形成のプランをしっかりと立てていくことが重要です。

お金は金額だけでなく、いつ使うのかを考え、それに向けて計画的に準備することが大事なのです。とくに30代は、色々な支出に向けての準備を始める時期と言えます。

MONEY PLUS編集部: 老後の資金は、どのぐらい必要になるのでしょうか?

SMBC日興証券: ゆとりある老後生活を送るための「老後資金」は月に35.4万円必要と考える方が多いようです。その支出が何年必要であるかを考えると、平均余命では男性で定年後約20年、女性で約30年、続くことになります。そのため、60歳を迎えた夫婦の老後生活費は合計1億円くらいと言われています。

MONEY PLUS編集部: 老後の生活費が1億円ですか…結構必要なんですね。1億円の貯金となると、どうやって考えたらよいか戸惑ってしまいます。老後資金を蓄えるには、どのような考え方をするのが良いでしょうか?

SMBC日興証券: 例えば、サラリーマンの夫と専業主婦を想定します。この夫婦の老後生活設計の場合、60歳時に受け取った退職金を1,500万円とします。

年金が満額支給される時期を、65歳からとすると、月々35万円の生活費だと、まず、1,500万円の退職金を42か月、つまり63歳6ヶ月で使い切る計算になります。使い切ってから65歳までの生活費が不足することになります。

また、65歳以降に月々22万円の年金受給が始まったとしても、35万円の生活費に対しては、毎月13万円不足することになります。仮に83歳までの生活費として計算すると、合計で約3,400万円が不足するという計算になるのです。
もし、90歳、100歳までのことを考えると、もっと大きなお金が必要になることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

つまりは、早めの準備が非常に重要であるということですね。