はじめに

【現行NISAの資産】
一般NISA口座やつみたてNISA口座の資産は、2024年以降の新NISAとは別枠で、現行の非課税期間で保有できます。たとえば、2023年につみたてNISAで投資した資産は、2042年まで運用益非課税で保有できます。また、非課税期間が終わった後は課税口座に移されますが、NISA口座で得られた利益には税金がかかりません。

ですから、2024年になるからといって、慌てて売る必要はありません。ただ、課税口座で得られた利益には税金がかかりますので、新NISA口座にもし空きがあるようなら新NISA口座で買い直す、もしくは課税口座で保有し続けるのがよいでしょう。

【課税口座の資産】
課税口座で利益が出ている資産・プラスマイナスゼロの資産・少し損を抱えている資産を保有している場合は、2023年のうちに売却して、資金を2024年以降の新NISAに回すといいでしょう。新NISAで同じ資産を購入すれば、以後の利益は非課税にできます。

また、損を抱えていても少しという場合は、損切りして、他の有望な投資先に投資するのもいいでしょう。大きく損失を抱えている資産がある場合は、今後の値上がりが期待できるならばしばらくは保有していてもいいかもしれませんが、潔く損切りして、残ったお金を他の有望な投資先に移すことを検討してもいいでしょう。

●注意点4:取り扱いのない商品がある可能性も
新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の定める基準を満たした投資信託・ETFです。ただ、どの金融機関でもつみたて投資枠対象のすべての商品に投資できるわけではありません。金融機関によって、扱いのある商品は異なります。

ネット証券では対象商品の大部分を扱っている一方、店舗の銀行や証券会社では商品を絞っています。変更先の金融機関でもこれまでと同じ商品を買おうと思っていたら、同じ商品が買えなかったという可能性もないとはいえません。変更先の金融機関に投資したい商品があるのか確認しましょう。

●注意点5:株式投資は証券会社でしかできない
新NISAの成長投資枠では、株・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)・投資信託に投資ができます。しかし、株やETFは、証券会社でしか購入できません。「今後も投資信託しか買わない」というのであれば問題ありませんが、株式投資をする(かもしれない)場合は、証券会社を選んでおいたほうがいいでしょう。


NISA口座は年に1回変更できますが、毎年あっちこっちと変更するのは手間ですし、長期・積立投資をじっくりと続けるという意味でもおすすめできません。新NISAを始めるにあたって、自分にあった金融機関をよく吟味して、長く付き合える金融機関で新NISAをスタートさせましょう。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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