はじめに

資産管理のメリット

今回母の資産状況を確認して、とても良かった点が3つありました。

母は、老後のお金が足りないのではないかと漠然とした不安を抱えていました。趣味の手芸教室の材料代が高いから、節約しなくてはといった具合です。

実際、毛糸代ぐらいでこれからの暮らしが成り立たなくなることはないのですが、年金収入と施設費用の収支を出し、その差分で現在の預貯金残高を割り、今の暮らしが十分天寿を全うしても間に合うことを伝えました。さらに母の収入であれば、医療や介護の自己負担も1割であるため、介護費用として想定されるお金も試算して見せました。今後の見通しが立った母は、手芸教室の他パソコン教室にも通えそうと笑顔でした。

二点目は、生命保険の請求をする代理人には弟を指定することに決めたことです。これまで親の資産管理は仕事柄筆者が中心となっていましたが、改めて弟にも母の資産や保険の状況を伝えると共に、物理的に近くに住む弟が代理人としては適切であるという結論にも至りました。同時に銀行口座についても、代理人カードを今のうちに作ろうという話ができました。

保険請求を行うケースとしては、母の健康状態を理解しておく必要があります。ペースメーカーをつけている母は、亡くなった時にそのまま火葬をすると爆発の恐れがあるのでその対処も家族皆が理解しておく必要があります。「病気や死」を口にするのは憚られますが、だからこそ元気な時に情報をシェアしておくべきと改めて感じました。

三点目としては、相続について再確認できたことです。相続税の非課税枠は、3,000万円+600万円x法定相続人の数で算出されます。それ以上の部分については、相続税が発生するので、現金で支払を準備する必要があります。

母については、相続税は発生しない見込みです。しかしこれを機に孫達に生前贈与をしたいという母の希望を聞くことができたので、来年実行することにしました。また財産分与についても、母の意向の確認と弟との共有ができたことは非常に良かったと考えています。

何より今回財産状況の確認をして、母から感謝されたことが最も大きな収穫でした。お金は日々使うものだから、親はちゃんと理解した上で生活しているだろうと思わず、子世代が手を差し伸べる必要性は高いとも感じました。お金を軸として、これからの話をすることの重要性を改めて感じた次第です。

ぜひ皆さんも親御さんが元気な時こそ、お金について話し合ってみてください。各種通知書、証券、書類等の整理から切り出すのも良さそうです。きっと高齢の親御さんにとっては、それらの対応は手に余ることだと思います。そこに手を貸すことで、きっと親御さんからは感謝をされ、今後のために資産管理も手伝って欲しいとの流れになるかと思います。これもまた親孝行、「あの時しておけば良かった」と後悔しないよう、参考にしてください。

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