はじめに
前回の寄稿記事では、「築古マンションは投資対象としてアリか」というテーマをお話ししました。
公開後、「では、築古戸建はどうか?」という質問をいただきましたので、今回は築古戸建に絞って、不動産投資の対象としてアリかナシか、筆者の経験も交えてご紹介したいと思います。
築古戸建は、活かすも殺すも自分次第。
先に結論からいうと、「築古戸建も投資対象としてはアリ」と考えています。築古マンション同様、高利回りを期待できる価格で売買されている傾向が強く、かつ金額も値ごろ感があり、いわゆるサラリーマン投資家でも、「頑張れば買える金額帯」であることも魅力の一つです。
ただし、戸建がマンションと決定的に違うところは、「自分で判断・対処すべきことが圧倒的に多くなる」点です。
マンションであれば、管理組合員である他の所有者と協議しながら、将来の建物補修や日常管理のルールを決め、それに沿って管理会社に日常清掃や点検を依頼したり、大規模修繕の計画を立てたりしていきます。赤の他人と、ある意味で共同所有物の今後について合意形成を図っていく大変さはありますが、それでも複数人でそれら管理費用や修繕費用を出し合いながら対処できる点は、マンションの大きなメリットと見ることができます。
一方、戸建の場合には、共同所有者がいない分、日常管理、修繕など、すべての事柄を自分で決め、自分で費用を捻出する必要があります。購入した戸建に愛着がわいてきて、そういったメンテナンスも楽しくできそう、とイメージが沸く場合は、この点もデメリットにはならず、楽しく不動産投資ができるでしょう。実際に、メンテナンスの良い物件は、将来売却をする際にも、より高値を目指せることも少なくありません。
一方で、あくまで投資対象の一つとして、金融商品の一つとして割り切って不動産投資をする人にとっては、「どうしてこんなにも臨時出費がかさむのか」と辟易する可能性もあります。つまり、戸建はマンションよりも「活かすも殺すも自分次第」の投資商品といえます。
築古戸建のメリット・デメリット
それでは、ここからはさらに掘り下げて、築古戸建による投資のメリット、デメリットについて見ていきたいと思います。