はじめに

現行NISAを利用していない人も新NISAをきっかけに投資へ

一方、現行NISAを利用していない人は6,921人いました。この人たちの中で「新NISAを利用する予定はない」とはっきり回答した人は38%でした。逆にいうと、残りの6割は新NISAの利用者となる可能性があるということです。

現在の経済や社会環境は投資を後押しする方向に働いていると感じます。図表6は「今年投資を始めた」人に、その理由を回答してもらった結果です。最も多かった回答が「インフレが進み、預貯金だけでは資産が目減りしてしまうと思うから」です。また、SNSやネットニュースを通じて資産運用関連の情報を入手しやすい世の中になったことで、「投資に関して知識・情報が増えたから」も2位と多いです。

第3位は「世の中が投資をする雰囲気になってきたから/友人・知人が始めたから」という回答ですが、新NISAの登場でこの動きは一段と強まるでしょう。身近な人が新NISAで投資を始めたとなれば、自分も投資を始めようという人が増え、それがまた周囲に影響を与えるといった形で、玉突き現象が起こっていく予感がします。

図表6 投資を始めた人の理由


新NISAを通じて、すでに投資をしている人は投資額を今より増やし、投資をしてこなかった人は新たに投資をするようになる、といった変化が起こるでしょう。これを山にたとえると、山頂が高くなるとともに、すそ野も大きく広がっていくといったイメージです。新NISAによって、投資総量は間違いなく大きくなり、「貯蓄から投資へ」は確実に進むと思います。

こうしたデータも参考にして、新NISAをどう活用していくか、戦略を練っていかれるといいでしょう。

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