はじめに

寄付を始めてみようと思ったら

──ふるさと納税以外の形で、寄付を始めようと思った方が気をつけることやポイントはありますか?

12月は寄付月間ですし、多くの団体が寄付を募集していると思います。寄付先を選ぶ際のポイントとしては、もしNPO法人に寄付をするなら、「認定」がついているNPO法人から選んでみるのはいかがでしょうか。

認定・特例認定NPO法人というのは、運営組織、事業活動が適正で、公益の増進に寄与する団体として一定の要件を満たし、国の所轄庁や都道府県、市区町村などから認定を受けたNPO法人のことです。認定されるには実態確認などを経て、一定の基準を満たしていると認められる必要がありますので、公的なお墨付きを得ている団体ということができると思います。

さらに、認定・特例認定NPO法人に対して寄付をすると、個人の方の場合、寄付額が2,000円以上であれば、確定申告を行なうことで寄付金控除が受けられます。所得控除または税額控除のいずれかが選択適用できます。また、お住まいの都道府県または市区町村が条例で指定した認定NPO法人等に寄付した場合は、個人住民税(地方税)に寄付金税額控除が適用されます。税制優遇も受けられるということですね。

そうした認定NPO法人の中から、ご自身が関心のある分野で活動されている団体を選んでみると良いのではないかと思います。ちなみに、私が所属しているフローレンスも「認定NPO法人」です。

──金額としては、初心者はどのくらいから寄付をはじめてみるといいでしょうか。

それぞれの収入に応じて無理のない範囲で寄付をするのがいいと思いますが、例えば収入の1%を毎月寄付してみるというのはいかがでしょうか。よくファイナンシャルプランナーさんは、手取りのうち何割を貯蓄に、何割を自己投資に、といった形で全てを消費で使い切らないようにしましょう、とアドバイスされると思うのですが、そこに1%の寄付という使い道を一つ組み込んでしまう考え方です。手取り20万円の方だったら毎月2000円くらいです。

多くの団体では、寄付者の皆さんに対して定期的に活動報告を行ない、皆さんから寄せられた寄付を使ってどんな事業ができたかという情報を発信しています。 そうした活動報告などの情報から、信用できる団体だと思えば、もっと寄付を継続したり増額を検討したりしてもいいかもしれません。もちろん途中で寄付先を変えても大丈夫ですので、気軽に始めてみていただけたらと思います。今は銀行振込以外にも、クレジットカードやオンライン決済システムなど寄付の手段も増えています。

寄付者の皆さんのお話を聞いていると、社会との繋がりが希薄になっていると言われる現代に、寄付を通じてそれぞれの方が社会とのつながりを感じられているのだなと実感します。社会貢献にもなり、自身の幸福感も得られる「寄付」というお金の使い道の素晴らしさがもっと広まってほしいなと思っています。

太田 智子(おおた・ともこ)

認定NPO法人フローレンス
みんなで社会変革事業部 寄付チーム

フローレンスのファンドレイザーとして法人寄付・個人寄付営業を担当、チームのサブマネージャーも務める。
新卒で大手印刷会社にてマーケティングに従事。その後、転職支援業界でキャリアアドバイザーを経験。2009年に第一子を妊娠し、リーマンショックの影響で退職し、専業主婦に。出産後、NPO法人でのボランティアからスタッフとして再就職。2020年、フローレンスに業務委託として参画、2021年より正社員として寄付営業・チーム管理に携わっている。

<認定NPO法人フローレンスについて>
こどもたちのために、日本を変える。フローレンスは未来を担うこどもたちを社会で育むために、事業開発、政策提言、文化創造の3つの軸で社会課題の解決や価値創造の構造に働きかけ、たくさんの仲間と共に「新しいあたりまえ」をつくる、国内有数の認定NPO法人です。

日本初の訪問型・共済型病児保育事業団体として2004年に設立され、待機児童問題解決のための「おうち保育園」モデルが、2015年度に「小規模認可保育所」として国策化されたほか、障害児に専門的に長時間保育を提供する日本初の「障害児保育事業」や、こどもの虐待問題解決のため「赤ちゃん縁組事業」、こどもの貧困を解決する「こども宅食事業」などの取り組みを加速しています。

【渋谷区ふるさと納税特設サイト】ふるさと納税型クラウドファンディング
#こどもの体験格差をなくそう 思い出が作れない全国のこどもたちに体験を届けたい!
フローレンスコーポレートサイトURL

この記事の感想を教えてください。