はじめに

リスク No.2 「瀬戸際に立つ中東」

続いてリスク No.2 は「瀬戸際に立つ中東」。中東は地理的に戦略的に重要な地域で、世界のエネルギー供給においても中心的な役割を果たしています。中東は石油と天然ガスの主要な産出地域であり、エネルギー価格や供給の安定性に対する中東情勢の影響は世界経済に大きな影響を与えます。中東は数多くの地域紛争が起こっており、シリア内戦、イランとサウジアラビアの対立、イスラエルとパレスチナの問題などが挙げられますが、この地域の情勢は常に複雑で流動的です。2023年はイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突による中東情勢の緊張が意識された年でしたね。イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの争いはニュースで見た方も多いと思います。またイエメンの武装組織フーシ派の紅海での商船への攻撃もサプライチェーンの混乱の懸念に繋がります。

リスク No.3 「ウクライナ分割」

No.3は引き続き地政学リスクです。ロシアが2022年2月24日にウクライナに侵攻したことから端を発しているウクライナ危機が、米欧の支援もあって激化し、現在も終息に至っていないわけですが、レポートではロシアが現在占領しているクリミア半島に加え、ドネツクやルガンスクなどウクライナの領土の約18%の支配権を維持することによってウクライナは2024年に事実上分割されると示されています。昨年2月にバイデン米大統領はウクライナを訪問しゼレンスキー大統領と会談した際に揺るぎない支持を演説で表明しましたが、米欧の支援に関しては侵略開始から今週で1年11か月経過するなかで戦況は膠着状態となり、支援態勢には陰りが見え始めていると報じている状況です。レポートでも米国のウクライナへの大型支援が難しいとの見通しが示されています。

リスク No.4 「AI のガバナンス欠如」

リスク No.4 「AI のガバナンス欠如」については偽情報や拡散というリスクから2024年にはAIのガバナンス不足が明らかになるとの懸念を示唆しています。

リスク No.5 「ならず者国家の枢軸」

リスク No.5 「ならず者国家の枢軸」では、ロシア、北朝鮮、イランについての懸念を示したほか、米国の危険な「友人」としてウクライナのゼレンスキー大統領について、米大統領選でトランプ氏が新大統領になった際ウクライナは支援者を失うことになり、米国が直接的に戦争に巻き込まれる可能性を示したほか、中東におけるアメリカの最も近い同盟国とされるイスラエルのネタニヤフ首相についても、米国が中東戦争に巻き込まれる可能性があることを示唆。

加えて台湾では台湾総統選で2024年1月に与党の頼清徳副総統が初当選しましたが、レポートでは台湾独立に積極的な頼副総統が当選すると米中関係に試練があるのではと懸念しています。動向を注視したいところです。

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