はじめに

リスク No.6 「回復しない中国」

リスク No.6 「回復しない中国」については一党独裁である中国の政治や経済の外部環境を理由に中国のリスクを示しています。中国本土株のCSI300指数が1月22日に5年ぶりの安値をつけていることからもすでにリスクが顕在化しているといえそうですが、今後の中国市場を予想する一助となる内容であると感じました。個人的には2022年に中国株は1銘柄(エネルギー関連)を除いて手仕舞って(現金化して)おり、23年にその1銘柄も利食いした(売却して利益を得た)ため保有がないことから下落を落ち着いて見られていますが、またチャンスがあればエントリーしたいと思って見ております。

リスク No.7 「重要鉱物の争奪戦」

リスク No.7 「重要鉱物の争奪戦」では産業政策や貿易制限の強化を背景に重要鉱物の輸入国と輸出国の圧力が激化すると指摘しており、その影響を懸念としています。

リスク No.8 「インフレによる経済的逆風」

リスク No.8 「インフレによる経済的逆風」では2021年から始まった世界的なインフレ懸念が粘り強く残り、逼迫した金融情勢が経済不安を悪化させ景気後退のリスクがあると伝えています。米中央銀行であるFRBは物価の安定と雇用の最大化を目標としているわけですが、インフレを鎮静化させる金融政策、金利の動向というのは市場の動向にも直結するものです。足元では早期利下げ期待は後退しているものの米株式市場は今年に入って好調で今週S&P500は連日で最高値を更新していますがその流れがどこまで続くのか、株式を保有している方にとってはリスクでしょう。また日本は円安傾向の中でインフレリスクは実生活でも引き続き懸念となりそうです。

リスクNo.9「エルニーニョ再来」

「エルニーニョ再来」については4年ぶりの協力なエルニーニョ現象が2023年前半にピークを迎えましたが、その気候への影響が遅れてくるため、2024年に異常気象と言う形でリスクとなるのではと言うことを伝えています。異常気象は農業にも多大な影響を与えますので、コモディティー価格にも影響があり、注視する必要がありそうです。

リスク No.10 「分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク」

「分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク」については政治と政策の二極化の影響、党派による国内市場の分断、LG BTQの権利や教育政策などを背景として米国でビジネスをするコストが上昇していると指摘。制作の不確実性と規制リスクの高まりが、企業にとってリスクであると示しています。

事前にリスクを把握しておくことが大切

さてここまでユーラシア・グループが毎年発表している、「世界の10大リスク」についてお伝えしましたがいかがでしたか。気になった方はぜひ原本をチェックしていただけますと幸いです。レポートで指摘されているように、政治的な不安定性や国際的な対立が株式市場に大きな影響を及ぼす可能性は常にあります。

ただ投資において、リスクとは触れ幅でもあるので、全くリスクを取らないことはあり得ません。また全くリスクのない環境もありえないでしょう。そのため地政学的リスクを常に監視し、投資判断に反映させること、またポートフォリオのリスクマネジメントを強化し、損失を最小限に抑えるための対策を練っておくこと、市場の変動に対する準備を整えておくことが重要です。

事前にリスクを知っておくことで、ニュースで見たときにこのリスクが起きたらこういうことが起きそうだから、こういう投資行動をしようと事前に準備をしているのとしていないのでは、大きなパフォーマンスの差につながっていきます。2024年の株式投資に臨むうえでぜひリスクも押さえておいてくださいね。

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