はじめに

2024年3月に日本証券業協会(日証協)から、NISA口座の開設及び利用状況が公表されました。日証協が大手証券10社(大手5社、ネット5社)を対象に2月末時点の状況を集計したものです。証券会社10社(大手5社・ネット5社)の2024年2月末時点のNISA口座数は約1400万口座となっています。

2024年2月におけるNISA口座の新規開設件数は53万件であり、2023年1~3月におけるNISA口座増加数(1か月平均)18万件と比較 すると、約2.9倍に増加しています。 2024年1~2月における買付額(1か月平均)は、成長投資枠1.5兆円、つみたて投資枠2700億円であり、2023年1~3月における買付額(1か月平均)と比較すると、成長投資枠で約3.3倍、つみたて投資枠で約3倍に増加しています。


大幅に拡充した新NISA

NISAとは投資で得られた収益に税金がかからない制度です。通常の投資では、得られた収益に約20%の税金がかかりますが、この税金がNISAではかかりません。その分、収益が出れば手元に残る金額が多くなる点が特徴です。今年から新NISAがスタートし、一般NISA(成長投資枠)とつみたてNISA(つみたて投資枠)の併用が可能となった他、年間投資上限額が最大360万円に拡大、 最大1800万円の生涯非課税限度額が新設されました。この制度変更をきっかけに株式投資を始められた方が多くなっています。

2024年の1月から2月のNISAにおける買い付けは、NISA買付額のうち、85%が成長投資枠で買付けされています。 成長投資枠は、投資信託のほか、国内(IPO含む)や海外の個別株式やETFの買付が可能であり、投資家のニーズに合わせて柔軟に活用されています。 一方、つみたて投資枠では、旧つみたてNISAと同様に、長期・積立・分散に適している厳選された投資信託を積立で買付が可能です。

成長投資でどんな銘柄が買われている?

成長投資枠での買付額のうち株式59%で、投資信託が41%でした。また、成長投資枠での株式の買付額のうち国内株が91%でした。成長投資枠での株式買付額上位10銘柄もうち9銘柄が国内株式となっています。

日証協は、個社名を明らかにしていませんが、配当利回り3~5%台の企業や業種別のヒントや各社のNISA買い付け上位銘柄を参考に、独自で銘柄を抽出しました。業種別で情報通信、銀行、医薬品から各2銘柄となっています。情報通信からNTT(9432)、KDD(9433)、銀行で三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)、医薬品で武田(4502)、アステラス(4503)などと思われます。

また、食料品、卸売、輸送用機器電気機器から各1銘柄となっています。食料品からJT(2914)、卸売で三菱商事(8058)、輸送用機器・電気機器からトヨタ(7203)などと推測できます。

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