はじめに

家計が赤字になる原因を探る

Aさんが退職し育休手当がなくなると、夫の収入と児童手当だけで生活することになります。今の生活水準で暮らし続けると家計が赤字になるため、支出の見直しが必要です。

出産前までは2人とも会社員として働いていたということもあり、自由にお金を使っていたAさんご夫婦。お互いに仕事が忙しかったため外食する機会も多く、食費が高くなりがちでした。子どもが生まれてから外食は減ったものの、デリバリーを利用する機会が増えたため、あまり食費は変わっていません。

また、子どもにかかる費用が増えたため、夫婦だけの時よりも生活費は上がっています。しかし、これまでは支出の内訳が把握できておらず、その他項目のなかに使途不明金が多く含まれている状態でした。他にも、子どもが生まれてから保険の見直しをしていない、スマホは大手キャリアで契約していて通信費が高めなど、見直し可能な支出が見つかりました。

支出の見直しは固定費と変動費を分けて考えるのがポイント

支出を見直すときは固定費と変動費に分け、固定費の見直しから始めましょう。食費や日用品費など変動費の改善は取り組みやすいですが、今の生活スタイルを変える必要があるため、節約が長く続かない可能性があります。一方で、保険や通信費など固定費の見直しは、手間がかかるものの一度の見直しだけで支出削減の効果が大きく、継続的に支出を抑えられるのです。

Aさんはまず通信費の見直しから行いました。データ使用量が少なく、電話もほとんどかけることがなかったので、大手キャリアから格安SIMに乗り換えを行い、通信費を世帯で1万1千円に抑えることに成功しました。

また、月額保険料1万円の個人年金に加入していましたが、老後資産を増やすことが目的で加入しており、保障は必要ないとのことでした。生命保険料控除が使える点は個人年金のメリットですが、NISAを活用することでより老後資産を増やせる可能性があることが分かり、解約を決意されました。解約返戻金の96万円を元手に、まずは毎月1万円ずつNISAのつみたて投資枠を活用して資産形成するよう、資産形成の手段を変更しました。

固定費の見直しができたら次は変動費の見直しです。1ヶ月分の支出を記録したところ、食費は5千円、日用品などのその他支出は2万円を毎月削減しても生活ができそうだと分かりました。

変動費はつい使いすぎてしまうため、1ヶ月の予算を大まかに決めて生活してみることが支出見直しの第一歩となります。お財布を分けたり、アナログではありますが封筒で管理するなどの方法を取ると習慣化しやすくなりますよ。

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