はじめに
新NISA制度は従来に比べより多様な投資戦略を実現することが可能になっており、オールカントリー(オルカン)やS&P 500といった人気の高い投資信託やETFは引き続き注目されていますが、特に成長投資枠を活用した新たな投資信託やETFに目を向ける動きが広がっています。
成長投資枠の導入で、特定のテーマやセクター、地域にフォーカスした商品にも投資しやすくなりました。例えば、半導体、再生可能エネルギー、AI、フィンテックなど、今後の成長が期待される分野に投資することが可能です。これにより、よりリターンを追求しつつ、リスク分散を図ることができます。
さらに、非課税枠が拡大されたことで、長期的な資産形成を目指す投資家にとっても、大きなメリットがあります。
成長投資枠での新たな投資信託やETFに挑戦してみたいと考えている方に向けて、今回は今月リリースされた具体的な商品をご紹介します。これらの商品を通じて、より多様な投資機会を掴み、資産形成の新しい可能性を探ってみましょう。
【1】NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信(200A)
運用会社は野村アセットマネジメントで設定日は2024年6月3日。日経半導体株指数に連動する投資成果を目指すETFです。日経半導体株指数は東京証券取引所に上場する半導体関連銘柄から構成される時価総額ウエート方式の指数です。時価総額が大きい30銘柄で構成し、日本の半導体関連株の値動きを表します。4月、10月の年2回分配で、銘柄組み替えは年一回となっています。
上位組入れ銘柄である前工程に強い世界3大メーカーのひとつでロジック半導体、メモリ半導体、両方に強い東京エレクトロン(8035)。半導体製造工程の専門的な切削・研磨装置の世界最大手であるディスコ(6146)。マイコンが世界トップクラスのシェアを誇り、自動車、産業、インフラ、IoTの4つの成長分野へ製品を提供するルネサスエレクトロニクス(6723)。
政府が後押しする半導体産業
半導体関連銘柄は、値動きの影響が大きいことは好みの別れるところだと考えます。半導体産業は現代のテクノロジーの基盤を支える重要な産業であり、その進化は止まることなく続いています。1980年代、日本の企業は半導体市場で世界をリードしていましたが、その後の市場変動や競争環境の変化により、多くの日本企業は半導体事業から撤退しました。
しかし、近年、日本の半導体産業は再び注目を集めています。特に、台湾のTSMCが熊本に新工場を設立し、日本の再生を支援するプロジェクトが進行していることが大きな話題となっています。また、ラピダスをはじめとする日本企業が合同で最先端半導体の製造を目指す動きも見られます。
21日に経済・財政政策の方針となる骨太の方針が閣議決定されましたが、2つの柱のうちのひとつとして産業競争力の強化のためのAIや半導体分野に対する国内投資拡大の必要性が強調されていますので、政策関連としても注目できるのではないでしょうか。