はじめに

「これからの資産形成を考える上で、インフレはどの程度進むと思っていたら良いでしょうか?」こんなご質問を頻繁にいただくようになりました。インフレが今後どうなるのかは誰にも分かりませんが、有効な対策にはどういうものがあるのか考えてみましょう。


インフレになると物の値段はいくらになる?

みなさんもご存じのように、日本銀行は物価安定の目標を2%としています。つまり、これからは2%程度の物価上昇が継続することも私たちは考えておかなければいけないと解釈することもできます。

もちろん、将来のことなどだれも予測することはできませんが、ある程度のインフレを加味しなが資産形成をしていくことはとても重要です。

例えば、老後の夫婦の生活費は30万円と考えている方がいらっしゃったとしましょう。夫婦の年金が月25万円だとすると、不足する金額は毎月5万円となります。老後が35年とすると、月5万円の赤字の累積は2100万円です。つまり、この場合老後資金として2100万円の準備がないと老後破綻することになります。

では、仮に2%のインフレが継続すると、30万円の生活費は一体いくらになるのでしょうか? これは電卓で簡単に計算ができるので、併せてご紹介しておきます。もしかしたら機種によって異なるかも知れませんが、筆者はCASIOの電卓を使っていますので、こちらでご説明します。

最初に1.02と数字を置きます。これは1+インフレ率2%という意味です。次に×キーを2回押します。すると画面にKというアルファベットが表示されます。その後は=を複数回押します。今回は30年後なので29回押します。ここは〇年後の〇-1となります。

では、やってみましょう。

1.02 ⇒ ×× ⇒ ====(29回)すると、液晶画面には1.81136158396と表示がされるでしょう。その数字を30万円にかけます。

1.81136158396 × 300000=543,408円

30万円の生活費はインフレが2%で継続すると30年後は約55万円になるという結果となりました。

公的年金もある程度物価に連動しますが、残念ながら年金財源の収支を調整する関係でマクロ経済スライド率という年金額を抑制する仕組みがしばらく続く予定です。将来的にいつまで継続するのかははっきり分らないので、ここでは年金額は物価上昇率の半分の1%ずつ増えるという仮定で計算してみます。すると年金額は336,962円となりました。

ここまでで55万円の生活費をまかなうには、年金だけでは月21万円ほど不足することが分かります。前述のようにこの赤字額が35年継続すると8820万円もの老後資金が必要になるということです。もうここまで大きな数字になると、資産形成に取り組む気持ちも失せ絶望的な気持ちになってしまいそうです。

40歳の方が65歳までに8820万円もの老後資金を作ろうと思うと毎月294,000万円の積立を実行しなければなりません。運用利回りが3%だと月の積立額は197,755円、5%だと148,109円、7%だと108,880円です。(金融庁つみたてシミュレーターを使用)

運用利回りという力があれば、毎月必要な積立額もずいぶん小さくなってきました。しかし、7%という運用利回りが現実的なのか、毎月10万円もの積立が継続できるのかと考えると、もう少し選択肢を増やしたいところです。

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